スマートフォン版へ

【宝塚記念】16年ぶり重馬場 道悪巧者が大外一気 菅原明良騎手&ブローザホーンがG1初制覇

スポーツ報知
  • 2024年06月24日(月) 06時00分
◆第65回宝塚記念・G1(6月23日、京都競馬場・芝2200メートル、重)

 春のG1シリーズを締めくくる第65回宝塚記念は23日、06年以来18年ぶりに京都競馬場で行われた。08年以来16年ぶりの重馬場となったグランプリは豪雨のなか、3番人気のブローザホーンが大外一気の豪脚で2馬身差V。大胆に導いた菅原明良騎手(23)=美浦・高木厩舎=、吉岡辰弥調教師(48)=栗東=と、人馬ともにG1初制覇を飾った。ファン投票1位で1番人気のドウデュースは6着に敗れた。

 無数のしずくを突き破った。ブローザホーンは、わずか428キロの馬体からあふれんばかりのパワーを放ち、京都・外回りの直線へ。大外に進路を取ると重馬場に脚を取られる他馬を次々にパスし、豪快に伸びる。残り約100メートルで先頭に立つと、もう誰も追いつけない。2馬身差でG1初制覇。菅原明は「とても気持ち良かったです!」と真っ白な歯をのぞかせた。

 前日の降雨により、芝は重でスタート。この日も完全にはやまず、道悪巧者に流れが向いた。レース中の土砂降りも、もはや祝福のシャワー。菅原明は「いつもと変わらず走ってくれました」と絶賛。吉岡調教師は「この1週間、天気予報はずっとチェックしていました」と安どの笑みを浮かべた。

 6年目にしてG1ジョッキーに輝いた菅原明。「ものすごくうれしい。ちょっとずつ実感が湧いてきました」と、初々しさ全開で喜んだ。22年NHKマイルCで、最低18番人気のカワキタレブリーで3着と激走し、「勝ちが見えた」と“上”を意識。今年はここまで26勝と、通算70勝した昨年を下回るペースだが、「勝てたらいいアピールになると思って挑みました」と反骨精神で壁を越えた。

 開業5年目の吉岡調教師もG1初勝利で、「まだ信じられないです」と感無量。ブローザホーンは、今春解散した美浦の中野栄治厩舎から受け継いで転厩3戦目、2着だった前走の天皇賞・春に続くG12戦目でのグランプリ制覇。それでも「G1を勝って恩返しできたかな」と謙虚な姿勢。京都府出身の48歳は故郷に錦を飾り、「すごく縁も感じる。すごくうれしい」と目尻を下げた。

 イクイノックス世代の5歳馬がまたも躍進。同世代のドウデュースジャスティンパレス、1歳下のソールオリエンスベラジオオペラのG1馬4頭を完封した。「馬と一緒に成長して、G1や大きい舞台でまたいい結果を残せたら」と菅原明。年内は国内で新たなタイトルを狙うことになりそうだ。新進気鋭のトレーナーも加えたフレッシュなトリオで、晴れやかな未来を描く。(水納 愛美)

岡田牧雄氏「年内は国内専念」

 〇…馬主で、生産した岡田スタツドの代表でもある岡田牧雄氏は現地でレースを見守った。同じく生産馬のタイトルホルダーが勝った22年は足を運ばなかったが、今回は「もしかしたらと思って来ました」と思惑通りの結果に笑みが浮かぶ。今回の勝利で秋に行われる豪州のコックスプレートと米国のブリーダーズCターフの優先出走権を獲得したが、岡田オーナーは「年内は国内に専念していいと思う」と見通しを語った。

 ブローザホーン 父エピファネイア母オートクレール(父デュランダル)。栗東・吉岡辰弥厩舎所属の牡5歳。北海道新ひだか町・岡田スタツドの生産。通算21戦7勝。総獲得賞金は4億8537万3000円。主な勝ち鞍は24年日経新春杯・G2。馬主は岡田牧雄氏。

スポーツ報知

みんなのコメント

ニュースコメントを表示するには、『コメント非表示』のチェックを外してください。

ミュート・コメント非表示の使い方
  • 非表示をクリックし「このユーザーの投稿を常に表示しない」を選択することで特定のユーザーのコメントを非表示にすることができます。(ミュート機能)
  • ※ミュート機能により非表示となった投稿は完全に見えなくなります。このため表示件数が少なく表示される場合がございますのでご了承ください。なお、非表示にしたユーザーはマイページからご確認いただけます。
  • 『コメント非表示』にチェックを入れると、すべてのニュース記事においてコメント欄が非表示となります。
  • ※チェックを外すと再びコメント欄を見ることができます。
    ※ブラウザを切り替えた際に設定が引き継がれない場合がございます。

アクセスランキング

注目数ランキング

ニュースを探す

キーワードから探す