4月の
川崎記念で長らく夢見ていたGI級競走制覇を成し遂げた、我が出資馬の
ライトウォーリア。再び大興奮の走りを見せてくれるのか――。
帝王賞が近づくにつれて心の高鳴りが激しさを増すばかりだ。
始まりは、
スペクトロライトだった。2010年生まれの、
父ディープインパクト、
母バランセラの牝馬。少々、値段は高かったが、
オークスを夢見て出資に踏み切った。
ところが、いざ走らせてみれば、適性は芝よりもダート。それでも2勝しか挙げられず、終生、大舞台には縁がなかった。もっとも、その良血が買われて繁殖入りには成功。初年度は
マジェスティックウォリアーと交配され、母に引き続きキャロットクラブで募集された。スレンダーだった母とは打って変わって筋肉隆々の体つき。凄いダート馬になるのではと再び、大きな期待を抱いて出資に踏み切った。
しかし、凄いダート馬への道のりは遠かった。
JRAでオープンクラスまではこぎつけたが、そこからが茨の道。連戦連敗。心機一転とするべく南関東へ移籍となった。
すると、2戦目で、そして3戦目でも重賞をV。
ライトウォーリアに輝きが戻ってきた。
内田勝義厩舎の敏腕か、おくての血が騒いだのか。
しかし喜びも束の間。すぐさま勝てない日々がやってきた。
名手、
吉原寛人騎手とコンビを組んでも勝てない。やはり、ここまでかと諦めかけたところ、24年初戦の報知
オールスターCで
ライトウォーリアらしい見事な逃げ粘りを披露。返す刀で臨んだ
川崎記念でも鞍上の絶妙な手綱さばきで後続を封じ込んだ。
これぞ名血の完全開花。このたびの戦い、
帝王賞でも再び絶好調で出走できそうなのは何よりだ。ただし、ここ2戦は外枠からスムーズに運べた恩恵があった。今回は生憎の内目の2番枠。心の中では引き続き大本命馬だが、道中で競られてしまう展開ではやはり厳しいか。
一方、
川崎記念で終始、馬群の中で苦しい戦いを強いられた
セラフィックコールはまずまずの枠を引き当てた。体調も上向き。得意の右回りで一変も十分だ。海外帰りの
メイショウハリオと
ウィルソンテソーロでは、後者のほうが調整過程が順調に映る。ただし、前者は当レース連覇中。その底力はやはり侮れない。
もう一度、嬉し涙となるのか、それとも悔し涙となるのか。いずれにせよ、大井のイルミネーションの中、
ライトウォーリアが疾走するシーンは一生、忘れないものとなるに違いない。