「
帝王賞・Jpn1」(26日、大井)
春のダート王もゲットだ-。好位から4角入り口で先頭に立った3番人気の
キングズソードが、懸命に追いすがる1番人気の
ウィルソンテソーロを子ども扱い。昨秋のJBCクラシックに続いてJpn1の2勝目を挙げた。3着には後方から追い込んだ9番人気の
ディクテオン。3年連続でJRA勢が上位を独占した。地方馬最先着は地元の
サヨノネイチヤが5着と奮闘した。史上初の3連覇を狙った
メイショウハリオは9着に敗れた。
ウシュバテソーロ、
レモンポップのダート界2枚看板を欠く混戦ムードの下馬評をあざ笑うかのように、
キングズソードが意地の快走を見せた。
大歓声がわき起こる直線入り口。3番手から堂々と先頭へ。外から
ウィルソンテソーロが馬なりのまま襲いかかる。2頭のマッチレースかと思われたのもつかの間、その差は逆に広がっていくばかり。最後は1馬身3/4の決定的な差をつけ、昨秋と同じ舞台で再びダート王の称号を奪い返した。
新馬戦V以来のコンビとなった藤岡佑は「完璧な仕上げでした。返し馬でもすごい馬力。首も太くなって“ダートのオープンらしくなりましたね”って、厩務員さんと話していたんです」と笑顔がはじけた。自身にとっては
帝王賞初制覇(12年全日本2歳優駿以来のJpn1は3勝目)だが、今春は
フェブラリーSでも11番人気の
ペプチドナイルを勝利に導き、ダートの大一番を独占した。
JBCクラシックでは3番手から抜け出したモレイラの好騎乗も光ったが、「それをイメージして先生とも先行策で一致してました。できれば2番手を取りたかったけど、3番手でも流れに乗れました」とイメージ通りの競馬。スローペースにも慌てることなく、「後ろからまくってくる気配もなかったし、向正面で息も入ったので待たずにスパート。4角で左後ろを確認したらウィルソンが見えたけど、突き放す反応を見せてくれたので」と会心のレースぶり。
JBCクラシックV後に3連敗。いったんは光を失いかけたが、前2走は実績のないマイル戦もあった。寺島師は「前走は馬場も悪かったので。レース後はすぐに立ち上げられたし、すごく良い状態で臨めました」としてやったり。
これで夏休み。「馬自身は成長しているし、まだ5歳。まだまだ強くなりますよ」と鞍上が太鼓判を押せば、トレーナーも「この馬にあった条件を探して使って行きたい」と輝きを取り戻し、一段とたくましくなった愛馬の勇姿をうれしそうに見つめた。
提供:デイリースポーツ