宝塚記念でG1初制覇を達成した
菅原明良騎手(23)=美浦・高木=には、どうしても勝利の報告をしたい相手がいた。騎手になるきっかけを与えてくれた矢野進元調教師だ。「矢野先生のお墓に報告しました。先生がいなかったら、今の僕はいないと思います」と感慨深げに語る。
中山競馬場近くに実家がある菅原にとって、競馬場が子どもの頃の遊び場だった。しかも、祖母と矢野元調教師が知り合いだったこともあり、自然と競馬に触れ合い、騎手を目指すようになった。小さい頃から抱いていた夢はG1制覇。それだけに「本当にうれしかったです」と喜びもひとしお。2年前に天国へと旅立った矢野元調教師もきっと、喜んでくれているに違いない。
夢はかなった。だからといって現状に満足しているわけではない。「G1が全てではないし、未勝利や条件戦でもしっかり結果を残さなければならないと思っています。“G1ジョッキーです”と胸を張って言えるように頑張ります」。G1を勝ったからといって慢心はなし。さらなる高みを目指し、ひたむきに競馬と向き合う姿はこれまでと変わらない。そんな『
菅原明良』だからこそ、今後も応援したいと思った。(デイリースポーツ・小林正明)
提供:デイリースポーツ