「
北九州記念・G3」(30日、小倉)
本格的な夏競馬の到来を告げるス
プリント重賞は、3番人気の
ピューロマジックが一気の逃げ切りで重賞連勝を飾った。古馬との初対戦も何のその。前半3F32秒3のハイペースで一気に押し切り、持ち前のスピードを存分に示した。2着に9番人気
ヨシノイースター、3着には16番人気
モズメイメイが入り、3連単は79万8750円の大荒れ決着となった。
類いまれなスピードで、一気に古馬も制圧。この日、一日中吹きつけた強風のように、逃げ切ったのは3歳牝馬
ピューロマジック。葵Sに続く、重賞2勝目を飾った。
五分のスタートから二の脚でダッシュを利かせ、機先を制してハナへ。内から
テイエムスパーダが押して食い下がろうとするも、明らかに速力が違った。前半3Fは32秒3の超ハイペースで通過。それでも十分な手応えを残したまま直線へ。9番人気の
ヨシノイースターが追いすがったが、その差はなかなか縮まらない。最後まで極端に脚色が鈍ることはなく、影すら踏ませなかった。
あまりの快速ぶりに、引き揚げてきた松山は笑みが止まらない。「開幕週の馬場を味方につけて、この馬らしい走りができました」。テンから速いラップを刻みながらも余裕を感じたといい、「抱えながらでしたし、自分自身、そんなに速いとは思っていませんでした。本当にすごいスピードがありますね」と、他馬とは一線を画す速さに舌を巻いた。
この勝利で
スプリンターズS(9月29日・中山)も視野に入ってくるが、安田師は「今まではポケット近くのゲートでしたが、
スプリンターズSはそうではない。コンディションを見ながら、馬の雰囲気を崩さないように決めていきたい」と、あくまで馬本位を強調した。それでも、間違いなく今後の短距離戦線の中心となってくる快速娘。さらなる高みへと駆け抜け続ける。
提供:デイリースポーツ