園田競馬の「第25回兵庫優駿」(1870メートル)が行われ、
鴨宮祥行騎乗の3番人気
マルカイグアス(牡3=橋本明、父
マクフィ)が早めのスパートから8馬身差をつける快勝を決め、兵庫3歳馬の頂点に立った。
橋本忠明師と鴨宮はともに兵庫優駿初制覇。2着に
ウェラーマン、3着は
ゴールデンロンドン。1番人気
ウインディーパレスは5着、
菊水賞に続く2冠を狙った2番人気
オーシンロクゼロは8着に敗れ、3連単は37万2550円と大波乱の決着となった。
勝負を懸けた。2周目向正面。それまで3番手を進んでいた
マルカイグアスの手綱を鴨宮は早々にしごき始めた。逃げていた
クラウドノイズ、2番手の
ウインディーパレスをかわし、あっという間に3角過ぎで4馬身の差をつけた。
ウェラーマンと
下原理が2番手に上がって必死に追い上げるが、差はなかなか詰まらない。結局セーフティーリードを保ったまま、
マルカイグアスが栄光のゴールへと飛び込んだ。
「最高です。馬体が絞れて(16キロ減)素軽さも出て、返し馬にまたがった感じからも自信を持っていけました」
鴨宮の思い切った騎乗を後押ししたのは兄同様に慕い、
マルカイグアスの手綱も取っていた
田中学の言葉だった。「(田中)学さんに会いに行ったら“強気に行け”と言われた。だから強気に乗りました」。馬を信じ、先輩のアド
バイスを信じた先に8馬身差の完勝があった。
橋本師にとっても大きな1勝だ。幾多のタイトルを手にしてきたが兵庫優駿(昨年まで兵庫ダービー)は初めて。ついに手が届いた。「強かったです。馬体重も予定通りで、全部がうまくいきました。引退するまでに獲りたかったタイトルの一つだったので、うれしいですね」
橋本厩舎を長くけん引したジンギは引退したが、その後継者と言っていい存在。まだまだ進化を遂げそうなダービー馬の誕生だ。
スポニチ