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ツインターボに次ぐ個性派誕生に期待

スポニチ
  • 2024年07月05日(金) 05時05分
 【競馬人生劇場・平松さとし】今週末、福島競馬場では七夕賞(G3)が行われる。荒れることでも知られるこのハンデ戦を93年に制したのがツインターボだ。引退までに32戦した同馬は、G3こそ3勝したが、G1勝ちは皆無。それどころか3回のG1出走はいずれも2桁着順に敗れていた。

 それでも今もこの馬の名が語り草になっているのは、その競馬ぶりが豪快だったから。最近ではパンサラッサ、さかのぼるとサイレンススズカもそうだったが、大逃げを打って後続にも脚を使わせ、一気に逃げ込みを図るタイプ。レースでは中盤からスタンドをざわつかせる馬だったのだ。

 七夕賞を制した時も同様の走りだった。手綱を取ったのは中舘英二騎手(現調教師)。タッグを組んだのはこの時が初めてで、次のように述懐する。

 「他にも逃げ馬がいたし、大外の16番枠でもあったので、番手でも良いと考えていたのに、スタートが切られるとツインターボが勝手にビュンビュンと飛ばして行きました」

 そこでパートナーに譲る形で走らせた。すると道中で2番手に1秒以上つけた差は、最後まで大きく詰まる事なく、2着に4馬身の差を保ち悠々とゴールに飛び込んでみせた。

 「口向きが悪い面もあり、紙一重というタイプでした。プランとしては瞬発力に欠けるので、上がりの脚から逆算して逃がした、という感じです」

 続くオールカマー(当時はG3)もコンビで優勝するのだが、そこには個性派としてのスピードを生かす名手の計算があったというわけだ。

 さて、そもそもそういったレースぶりがハマった理由として、中舘調教師は次のように振り返る。

 「口向きだけでなく、いろいろと少し難しい面のある馬でした。ラチにへばりついて離れなくなったり、馬場入りを嫌がったりもしました。また、ゲート試験にも何度も落ちている馬でした」

 そんな気性が個性的な走りにつながり、彼を記憶に残るスターにしたのだろう。さて、今年の七夕賞でも個性派が誕生するだろうか。期待したい。 (フリーライター)

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