夏の函館を締めくくる名物ハンデ重賞「第60回
函館記念」(サマー2000シリーズ第2戦)の最終追い切りが10日、行われた。前哨戦・
巴賞を快勝した
ホウオウビスケッツが函館Wコースで岩田康を背に豪快に先着した。05年
エリモハリアー以来、19年ぶりに
巴賞1着馬による
函館記念Vの期待が膨らむ。
JRA2歳重賞第1弾「第56回
函館2歳S」は東京新馬戦で7馬身圧勝の
サトノカルナバルが大物感十分の好気配だ。
天井知らずとはこのこと。
巴賞を快勝した
ホウオウビスケッツが上昇ムードだ。連続騎乗の岩田康が騎乗し、Wコースで5F67秒0〜1F12秒4(強め)。
ショウナンアメリア(5歳2勝クラス)を8馬身追走して内へ。一瞬で肉薄。グイッと2馬身前に出た。体ははちきれんばかり。よほど函館の水が合うのだろう。
岩田康は「いつも動くんでね。ただメンコ(覆面)をしている効果で、
巴賞の時よりも落ち着いていた。体もグッと良くなっているし、中1週なのにいい動きだった」と確かな手応え。函館に駆けつけた
奥村武師も「良かったですね。馬は元気いっぱい。中1週でも
巴賞がダメージがない競馬だったので、馬がケロッとしている」と目を細める。
昨春ダービー(6着)で勝ち馬
タスティエーラから0秒2差の実績馬。ただ、1年以上収得賞金(競走条件を区分するための賞金)を加算できず、
巴賞は“背水の陣”だった。問答無用に逃げて圧勝。鞍上は「絶対に勝たなければならなかったので、ゲートも出した」と振り返る。
巴賞Vで賞金加算、
函館記念のゲート入りがかなった。
明け4歳の成長期。ダービーで近くにいた
ソールオリエンス、
ベラジオオペラは今春G1で好走した。ビスケッツも悲願の重賞初Vはもちろん、G1再進出が夢だ。岩田康は「ダービーは折り合って、あれだけ走っている。燃え過ぎずに2コーナーまでうまく運べれば」と闘志を燃やした。指揮官も「前回の追い切りより落ち着いているので滞在効果もあると思う。重賞を獲れるだけの馬。決めつけずリズム良く運べれば。ハンデ(57・5キロ)を乗り越えて頑張ってほしい」と人馬に託した。メンバー屈指の充実で、05年
エリモハリアー以来の
巴賞1着→
函館記念1着をつかみ獲る。
スポニチ