デビューから約3カ月での挫折-。それでも苦難を乗り越えて男になってみせる。5月28日の調教騎乗中に放馬した馬に蹴られて骨折したルーキーの
柴田裕一郎騎手(19)=栗東・中竹=がターフに帰ってくる。
懸命なリハビリを重ね、6月29日から調教騎乗を再開。先週から実戦復帰するプランもあったが、師匠の中竹師からの進言もあって1週スライドさせた。「無理しなくて良かったです。おかげで万全で乗れるので」と、もう不安は一切なしだ。
戦線離脱中は後悔の連続だった。特に6月16日の
マーメイドSは、騎乗予定だった
アリスヴェリテが重賞V。「味わったことのない悔しさ。夜は寝られませんでした」と振り返るほどに痛恨だった。それでも「切り替えたら、リハビリにさらに芯が入りました。いいきっかけでしたね。
アリスヴェリテが教えてくれたのだと思います。いつか、重賞を取り返したいです」と真っすぐな目で言い切った。
復帰週から10頭の手綱を任された。「先生には感謝しかないです。こんなにいい馬を集めていただけるとは」。再び歩を進める19歳。苦い経験をバネに、飛躍の夏にする。(デイリースポーツ・山本裕貴)
提供:デイリースポーツ