夏の小倉を締めくくるハンデ重賞「第72回
中京記念」(サマーマイルシリーズ第2戦)が21日、行われた。5番人気
アルナシームがゴール前の接戦を首差で制し、9度目の挑戦で重賞初制覇。鞍上の
横山典弘は56歳4カ月29日での重賞勝利となり、自身が持つ
JRA重賞勝利最年長記録を更新した。なお、小倉12R終了後には来月から兵庫県競馬に復帰する
小牧太(56)の
地方競馬移籍セレモニーが行われた。
実績馬をねじ伏せた。
アルナシームが4角手前からスルスル馬群を縫って直線へ。馬場のいい真ん中に進路を取ると、1番人気
エルトンバローズとビッシリ馬体を併せて激しい追い比べ。ゴール前はさらに内ラチ沿いから
エピファニーが鋭く迫ったが、持ち前の粘り腰で振り切って重賞初Vのゴールへ飛び込んだ。横山典は「初めて乗った3走前から競馬と攻め馬に乗って、橋口先生や厩務員さんと3人であれこれ考えてやってきたので、(勝てて)めちゃくちゃうれしい」と喜びを口にした。
スタートから逃げ馬2頭
テーオーシリウスと
セルバーグのハナ争いが続き、前半1000メートル通過が57秒5のハイペース。
アルナシームは道中7番手の内で折り合った。鞍上は「位置取りにはこだわらなかった。繊細な馬なのでリズムを特に気をつけました。(ペースが流れたので)レースはしやすかった」と振り返る。勝負どころは無駄のないレース運び。直線で(2、3着)重賞勝ち馬との追い比べを制したのだから値打ちがある。重賞9度目の挑戦で悲願の初タイトル。橋口師は「レースは言うことがなかった。重賞を獲らさないと駄目だと思っていたのでホッとしています」と笑みを浮かべた。
中間はキャンターからじっくり時間をかけて乗り込むなど調整をひと工夫したことで精神面が大人になった。指揮官は「(横山)典さんが(調教や馬具の)アド
バイスをくれて、とにかく力まないように調整してきた。パドックでの落ち着きやレースでの折り合いを見ても、今まで考えてやってきたことが実を結んだ」と確かな手応えをつかんだ。
今年は年明けからコンスタントに使われて6戦。この後の夏シーズンはゆっくりと牧場で英気を養う。近親にG・12勝
アルアインや21年ダービーと22年
ドバイシーマクラシックを制した
シャフリヤールがいる。期待の良血が5歳夏を迎え、本格化を遂げた。
◆
アルナシーム 父
モーリス 母ジュベルアリ(母の
父ディープインパクト)19年4月14日生まれ 牡5歳 栗東・橋口厩舎所属 馬主・
ライオンレースホース 生産者・北海道安平町のノーザン
ファーム 戦績20戦6勝(重賞初勝利) 総獲得賞金1億6164万2000円 馬名の由来は海風(アラビア語)。
スポニチ