昨年11月、活躍の場を広げるために平地&障害の二刀流への挑戦を決めた
鷲頭虎太騎手(20)=栗東・
千田輝彦=。5月4日の新潟4R・障害未勝利で落馬し、胸椎を5本骨折。早期復帰を優先し、当面は障害騎乗を控えるが、再挑戦、障害初勝利は諦めていない。「以前と比べると骨がもろくなっているリスクもあるので今は経過観察していますが、障害をやめようとは思っていません。体と相談しながら考えていきたい」と前を向いた。
6月22日に地元・函館で復帰するまで約1か月半の休養。運動などが制限され、大半をベッドの上で過ごした入院生活は、改めて自分を見つめ直す機会になったと言う。「筋力だったり体の柔らかさ。(ペース配分などの)流れなども勉強し直しました」と振り返った。
小牧加矢太騎手からの進言もあって決めた障害騎乗。障害馬はレースに向け「馬とコンタクトを取るという面で、平地以上に時間が長い」と一頭一頭と向き合い、信頼関係を深めていく作業に時間を割く。またレースで障害を跳ぶ際、落馬事故を防ぐために必要な他馬の動きを観察するレース中の広い視野の確保などは、それまで以上に意識するようになったと言う。新たな挑戦で得たものは大きい。
ルーキーイヤーの22年に重賞初制覇を決めた
今村聖奈騎手や、今夏の函館ス
プリントで重賞初Vを飾った
佐々木大輔。「悔しい気持ちはあります」と活躍する同期は刺激になっている。22年から7勝→11勝と伸ばしてきた勝ち星も、今年は戦線離脱の影響などもあり、ここまで1勝。復帰後初勝利にもまだ手が届いていない。「惜しいレースはありますが、そこでしっかりと決められるようになりたい。早く勝って流れに乗っていきたいですね」と力を込めた。
障害騎乗を決めた際に「平地でも障害でもトップを目指したい」と目を輝かせていた3年目の若武者。我慢の時を経て再度、障害にも騎乗。二刀流として活躍する日を心待ちにしたい。(
中央競馬担当・戸田 和彦)
スポーツ報知