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アイビスSD・G3」(28日、新潟)
暑熱対策としてJRA初の試みとなる「競走時間帯の拡大」を実施した今週の新潟競馬。約3時間半の休息時間を挟み、7Rに組まれた新潟名物“千直”を制したのは、国分恭騎乗の3番人気
モズメイメイだった。中団追走から力強く抜け出し、昨年の葵S以来となる3つ目のタイトルを手にした。今後はサ
マースプリントシリーズ制覇を目指す。2着には2番人気の
ウイングレイテストが続いたが、鞍上の松岡はムチの使用制限を超えたため騎乗停止処分となった。
スランプ脱出。かつての殻を脱ぎ捨てて、快速娘
モズメイメイが復活Vを遂げた。昨年の葵Sでファンを魅了した
ロケットスタートは封印し、前走の
北九州記念3着と同じような“差す”競馬にモデル
チェンジ。馬場の7分目を通り、中団から力強く抜け出した。
前走に続いて手綱を託された国分恭は「本当に馬の力で勝たせてもらった。馬に感謝」とパートナーをたたえた。当初は外枠を生かす競馬を考えていたが「うまく誘導できなかったので、人気どころの後ろへ」と作戦変更。2着
ウイングレイテストの真後ろから勝機をうかがい、ラスト1Fはラ
イバルが殺到する外ではなく内へ。この判断が勝負の決め手となった。
「馬がペース配分を知っていて、行くところも行かず我慢してくれて。最後みんなが止まった時にひと伸びしてくれた」。馬への感謝を重ねた鞍上は、22年
京都記念(
アフリカンゴールド)以来となる自身4度目の重賞制覇。「なかなか平場でも勝つ機会が少なくなったので、こういう大きい舞台で結果を出せてうれしい」と健在ぶりをアピールした。
音無師は07年
サンアディユ以来となる新潟千直V。前日の
新潟ジャンプSでは弟子の小牧加が重賞初制覇を果たしたとあって、最高の新潟遠征となった。現状打破へ、
メイメイの調整を「前週に併せ馬、当該週に馬なりで。やり過ぎないようにしている」と変貌の要因を明かした指揮官。今後は「サマーシリーズを狙っていきます」ときっぱり言い切った。
近日中に放牧へ。次は
セントウルS(9月8日・中京)へ駒を進める。「千二でもああいう風になればいいな」。来年、定年を迎える名伯楽。最後の夏は、まだ終わらない。
提供:デイリースポーツ