◆第72回
クイーンS・G3(7月28日、札幌・芝1800メートル、稍重)
札幌の第72回
クイーンS・G3は、
コガネノソラ(丹内)が重賞初制覇。牝馬3冠ラストの
秋華賞(10月13日、京都)に名乗りを上げた。
3歳牝馬が逆襲の勝利をもぎ取った。
コガネノソラは五分のスタートから中団の外めを追走。前有利な馬場でも、丹内は「51キロなので多少外を回しても大丈夫だし、落ち着いて乗っていこうと思っていた」と焦らず勝機をうかがっていた。3角から加速したレースの流れに合わせ外を回すと、直線入り口は5番手に進出。最後は真っすぐに馬場の真ん中を突き抜け、迫る
ボンドガールを頭差振り切った。馬の力を信頼しきった騎乗。テン乗りだったが、「攻め馬に乗って馬のことは把握していましたし、自信がありました」と胸を張った。
ふだんは斤量54キロを下限に騎乗している丹内が51キロに乗るのは20年6月13日以来、約4年1か月半ぶり。「話をいただいてから逆算して3週間の長期で仕上げました。数を乗るし水抜きはしたくなかったので、食事に気をつけた。レースでは完璧な状態でしたね」と、ほっとした表情で自画自賛した。地元・北海道のファンからの「祐次ー! おめでとう!」という大歓声に包まれると、「報われましたよ」と静かに勝利をかみしめた。
コガネノソラは3連勝で臨んだ前走の
オークスで12着に大敗したが、古馬と初対戦で改めて素質の高さを証明。菊沢調教師は「完璧でした。この相手にいいレースができれば次につながると思っていました」と声を弾ませる。この後は一度放牧に出してリフレッシュさせるが、「秋は
秋華賞が目標になると思います」と、牝馬3冠最終戦でのリベンジを明言。「目に見えて成長しているし、状態や展開がかみ合えば2000メートルもこなせるのでは」と自信をのぞかせた。飛躍の夏を経て、秋には頂点まで駆け上がる。(角田 晨)
◆
コガネノソラ 父
ゴールドシップ、
母マイネヒメル(
父ロージズインメイ)。美浦・
菊沢隆徳厩舎所属の牝3歳。北海道新冠町・ビッグレッド
ファームの生産。通算8戦4勝。重賞初勝利。総獲得賞金は7690万7000円。馬主は(有)ビッグレッド
ファーム。
スポーツ報知