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【アイビスSD】モズメイメイV音無師“最後の夏”サンアディユ再現だ

スポーツ報知
  • 2024年07月29日(月) 07時00分
◆第24回アイビスSD・G3(7月28日、新潟競馬場・芝直線1000メートル、良)

 サマースプリントシリーズ第3戦の第24回アイビスサマーダッシュ・G3は28日、新潟競馬場の芝直線1000メートルで争われ、3番人気のモズメイメイ(国分恭)が重賞3勝目を挙げた。次走のセントウルS(9月8日、中京)で、07年に両レースとも制した同厩のサンアディユ同様に夏の短距離王を目指す。

 強い思いが乗り移った。ラスト2ハロン。国分恭は右ステッキでモズメイメイを馬場の真ん中へ誘導すると、左ステッキで闘争心を呼び起こし、全身を使った大きなフォームで必死に追った。3着まで首、首差の大接戦でも勝利を確信し、ゴール板を駆け抜けた直後に早々と右腕を突き上げた。「最後にみんなが止まった時にひと伸びしてくれた。続けて乗せていただき、結果を出せて、本当に幸せです」と、自身約2年5か月ぶりの重賞制覇を喜んだ。

 そんな国分恭と4歳牝馬を、音無調教師は笑顔で出迎えた。3歳時に重賞2勝も、それ以降は低迷していた愛馬を復活へ導いたのがソフト仕上げだ。本来は栗東・坂路で50秒を切るほど攻め馬駆けするが、前走の北九州記念から1週前、当週ともに馬なり調整で3着と復調。今週の最終追い切りもセーブ気味に52秒8。「やり過ぎると、走らなくなるからね」。余裕のある状態で本番を迎え、末脚を生かす脚質転換にも成功。すべてがうまくかみ合った。

 あの牝馬の姿が重なる。07年に今回と同じく初の“直千”で勝利をつかんだサンアディユだ。当時は13番人気で激走。「人気もなかったし、あの時は新潟にはいなかったんだよ」。来春に定年引退を控える音無調教師にとって、最後の直線重賞。愛馬の勝利をようやく目の前で見ることができた。しかも、これが4月21日以来となるJRAでの勝利だった。「引退するまで勝てんかと思ったわ」と笑う。前日27日の新潟ジャンプSでは厩舎所属の小牧加が重賞初制覇。最高の週末になった。

 サマースプリントシリーズ暫定トップに立った。最終戦のセントウルSで、サンアディユと同じく夏の短距離王者を目指す。「狙っていきます。1200メートルでもああいう形になればね」とトレーナー。輝きを取り戻した快速娘が最後の夏を鮮やかに彩っていく。(山本 武志)

 ◆モズメイメイ 父リアルインパクト母インラグジュアリー(父フランケル)。栗東・音無秀孝厩舎所属の牝4歳。北海道千歳市・社台ファームの生産。通算14戦5勝。総獲得賞金は1億6609万円。主な勝ち鞍はチューリップ賞・G2、葵S・G3(ともに23年)。馬主は(株)キャピタル・システム。

スポーツ報知

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