最近は見られなくなったが、10年代は
札幌記念から
凱旋門賞に向かうローテーションがトレンドだった。ちょうど10年前の14年には、
凱旋門賞を目指すGI馬2頭が激突。
桜花賞馬
ハープスターとGI5勝馬の
ゴールドシップが繰り広げた名勝負を振り返りたい。
この夏、最も盛り上がった一戦。単勝1.8倍の1番人気に支持されたのは5歳の
ゴールドシップだった。3歳時に
皐月賞、
菊花賞、
有馬記念、4歳時に
宝塚記念を制覇。そして前走の
宝塚記念で連覇を達成すると、フランス遠征の前哨戦として、北に舵を切っていた。一方、単勝3.7倍の2番人気だった
ハープスターは同年の
桜花賞馬。前走の
オークスでは
ヌーヴォレコルトの2着に敗れたが、アク
シデントがあってのもの。3歳最強牝馬として、斤量の恩恵がある
凱旋門賞への参戦を表明していた。
レースは
トウケイヘイローが前半1000m58秒4のハイペースを刻んだ。
ハープスターは後方2番手を追走。そして
ゴールドシップは更に4馬身ほど後ろの最後方でレースを進めた。迎えた3コーナー、
ゴールドシップが馬群に取り付くと、追い付かせないとばかりに
ハープスターも進出を開始。直線入口で早くも
ハープスターが先頭に立つと、外から
ゴールドシップが襲い掛かる。しかし、その差はなかなか詰まらない。最後は
ハープスターが
ゴールドシップを3/4馬身抑えてゴール。重賞4勝目を手にして、仏遠征に弾みを付けた。一方の
ゴールドシップも敗れたとはいえ、勝ち馬よりも5kg重い57kgを背負ってのもの。こちらも前哨戦としては合格点の内容だった。
引き上げてくる際、
ハープスターの
川田将雅騎手と
ゴールドシップの
横山典弘騎手は、馬上でガッチリと握手。健闘をたたえ合う姿も、レースと同じぐらいに印象的だった。