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エルムS・G3」(4日、札幌)
北都唯一のダート重賞を制したのは、5番人気の
ペイシャエスだ。1年8カ月ぶりの勝利を挙げ、完全復活を示す重賞3勝目。昨年8着に敗れたが、好位からしぶとく差し切り、リベンジを果たした。2着には1番人気
ドゥラエレーデ、3着に10番人気
テーオードレフォンが続き、3連単は8万超えの決着となった。
北の大地で実力馬が復活の時を告げた。22年12月の
名古屋グランプリ以来、白星から遠ざかっていた
ペイシャエス。昨年8着のリベンジを果たし、重賞3勝目をゲットした。
好スタートを決め、果敢に先行争いへ参戦。4〜5番手を確保すると、進出の機会をうかがう。勝負どころから横山和が
ゴーサインを出すと、叱咤(しった)に応えて加速開始。直線で馬の間を割って抜け出し、最後は1番人気
ドゥラエレーデとのたたき合いを首差制した。
ゴール後は左手人さし指を伸ばして
ガッツポーズ。
エルムS制覇は18年以来2度目。殊勲の鞍上にとって、6年前にJRA重賞初勝利を挙げた思い出のタイトルだ。「初めて勝ったあの日から、またこうやって札幌で勝たせていただいてうれしいです」と会心の勝利に笑顔。続けて「もうちょっと頑張ってくれると思いますし、状態に左右される馬ですが、厩舎と連携を取りながら、もう一つ、二つと頑張ってほしいです」と、相棒のさらなる飛躍に期待した。
管理する小西師にとっても、同馬での22年ユニコーンS以来の重賞制覇。「この馬は暑いのに弱いので、この気候も良かったです」。真夏日が連発した昨年とは打って変わり、涼しい日が続いたのも味方した。
そして、「今までは(出走したいレースに)出られなかったからね」と、待望の賞金加算に声を弾ませた同師。次走に関しては明言を避けたが、もちろん暮れの大舞台は意識するところだ。充実期を迎えた5歳馬が、さらなる高みを追い求める。
提供:デイリースポーツ