新潟2歳Sを制し、後にGIタイトルを手にした馬は多くいるが、インパクトという意味では13年の
ハープスターが一番だろう。最後方追走から上がり3F32秒5の豪脚を繰り出し、終わってみれば3馬身差の大楽勝。多くのファンに「来年の
桜花賞は決まり!」と思わせた。
ハープスターは
父ディープインパクト、
母ヒストリックスター、母の
父ファルブラヴの血統。母は未出走だったが、祖母の
ベガは93年の2冠牝馬。伯父には99年の
日本ダービー馬の
アドマイヤベガ、芝ダート二刀流でGIとJpn1を計7勝した
アドマイヤドン、00年の
セントライト記念を制した
アドマイヤボスがいる良血馬だった。7月の新馬を楽勝。続く
ターゲットとなったのが
新潟2歳Sだった。
単勝2.6倍の1番人気に支持された
ハープスターは、松田博資厩舎の所属馬らしく、最後方でレースを進めた。前半1000mは60秒7のスロー。それでも鞍上の
川田将雅騎手は全く慌てなかった。直線に向いて徐々に大外に持ち出すと、残り400mからエンジン点火。来た!と思った瞬間、一気に先頭へ。上がり3F32秒5の鬼脚を繰り出し、終わってみれば後の
皐月賞馬の
イスラボニータに3馬身差を付ける圧勝。多くのファンが「来春の牝馬クラシックの主役」と確信したのは当然で、「
凱旋門賞も勝てる」と口にするファンもいるほどだった。
ハープスターは続く阪神JFで
レッドリヴェールに敗れたが、
桜花賞でリベンジを果たし、GI初制覇を果たした。その後、故障もあってGIは1勝のみに終わったが、史上最強牝馬に推す人も多い。夏の新潟で見せたパフォーマンスを思えば、多くのファンがそれも納得と感じるに違いない。