14日の園田2Rで古巣復帰初戦を迎えた
小牧太騎手(56)=兵庫・
中塚猛=が、単勝1・2倍の断然1番人気
エイシンジェットでV。今月1日にJRAから移籍し、復帰後初騎乗初勝利を挙げた。
枠内では落ち着きがなかったが好スタートを決めると、ファンからの「小牧頑張れ!」の声援を背に果敢に先行策。勝負どころで手応え十分に逃げ馬をかわすと、そのまま後続の追い上げを退けた。
ゴール後は温かい拍手に包まれ、“本日の主役”とも言える鞍上は「ゲートを切る前に暴れたので、一瞬おおっと思ったんですが、うまく出てくれました。出たのはたまたまです。先頭に立ったら急にソラを使って、馬は余裕があったけど危なかったですね」と目尻を下げた。
以前に所属していた際には設定のなかったダート1230メートル戦での勝利。「初めて乗ったのでそれが一番不安でしたが、千四も一緒ですね。5、6年くすぶっていましたが、園田でうっぷんを晴らしたいと思っていますので、ぜひまたこれくらいのお客さんが来てくれたらうれしいです」とさらなる健闘を誓った。
エイシンジェットを送り出した渡瀬寛師にとっても格別の勝利だった。「レース前はどういう馬なのかを伝えただけ。あれだけのジョッキーですし、何も言わなくても分かるでしょうからね」と、円熟の手綱さばきに全幅の信頼を置いていた様子。「調教師になって初めて乗ってもらいましたが、厩務員時代にはよく勝ってくれました。久しぶりに小牧騎手で勝ててうれしいです」と“レジェンド”の新たな門出に笑顔だった。
また、長男でJRA騎手の
小牧加矢太も栗東トレセンでの調教を終えた後、長女のひかりさんらとともに
園田競馬場へ駆けつけた。初騎乗初勝利となった2R後には口取り写真に納まり、「途中にソラを使ったみたいでヒヤッとして、“頼む!”という感じでした。JRAの最後と園田のスタートを勝利で飾るあたり、さすがだなと思いました」と、偉大な父の勇姿に頰を緩めた。
提供:デイリースポーツ