洋芝で5戦全勝の
モリノドリーム(牝5、美浦・
鹿戸雄一厩舎)が、
キーンランドカップ(3歳上・GIII・芝1200m)で重賞初制覇を狙う。
モリノドリームは父
モーリス、
母グロリエッテ、母の
父アドマイヤムーンの血統。母は未勝利だが、一族には活躍馬がズラリ。伯父の
マジカルポケットが10年の
函館2歳Sの覇者なら、伯母の
コウユーキズナもオープンまで出世している。また、いとこの
ショウナンアンセムは18年にパラダイスSを制し、19年の
高松宮記念では3着。したがって実にスピードに富んだ母系といえる。
ここまで16戦5勝。勝ち上がりに8戦を要したが、勢いに乗ってからが早かった。未勝利と1勝クラスを連勝し、続く
勝浦特別は後の重賞ウイナー・
サトノレーヴの2着。その後、長期休養を強いられたが、復帰すると函館日刊スポーツ杯、TVh杯を連勝し、一気にオープンまで駆け上がってきた。昇級後は
セントウルSが11着、カーバンクルSが4着、
モルガナイトSが2着と、着実に着順を上げて、前走の青函Sで待望のオープン初勝利。これで北海道の芝では5戦全勝だから、現役一の洋芝巧者といっても過言ではない。当然、重賞初挑戦となる今回も大いに期待できる。
86年以降、北海道の芝で5戦以上して、かつ全勝しているのは
モリノドリームのみ。同じく北海道の芝での最多勝は
マイネルスターリーの7勝で、
モリノドリームが勝てば
ストレイトガール、
エリモハリアー、
タニノマティーニと並ぶ2位タイに浮上することとなる。初タイトルを獲得し、北の大地を盛り上げた往年の名馬に肩を並べられるか。
ルメール騎手との初コンビも含め、要注目の一戦となる。