「
札幌記念・G2」(18日、札幌)
北都のスーパーG2を制したのは、岩田康騎乗の5番人気
ノースブリッジ。2番手追走から力強く抜け出し、昨年のAJCC以来の重賞3勝目を飾った。12ポイントを獲得してサマー2000シリーズでもトップタイに。岩田康&
奥村武師のコンビは、
函館記念(
ホウオウビスケッツ)に続いて北海道の記念競走をジャック。秋のG1獲りへはずみをつけた。2着は3番人気の
ジオグリフで、3着は4番人気の
ステラヴェローチェ。連覇を狙った1番人気の
プログノーシスは、出遅れて4着に敗退。1番人気馬は13連敗となった。
会心の騎乗に興奮が収まらない。ゴールの瞬間、
ノースブリッジを勝利へと導いた岩田康は、左手で2度
ガッツポーズ。検量室前では、出迎えたスタッフへ向けて「ヨシッ!」と声を張り上げ、喜びを爆発させた。
離れた2番手でピタリと折り合い、4角手前では鞍上が後ろを振り返るほど抜群の手応え。出し惜しみすることなく、直線で早めに先頭へ躍り出ると、脚色が鈍ることなく一気にゴールを貫いた。主戦は「最初のゴール板過ぎから“この馬のペースで行けるんだ”と感じた。だからこそ、3〜4角にかけて仕掛けて行って、素晴らしいこの馬の瞬発力を見せられた」と勝利を振り返った。
かつて“美浦の主”と呼ばれた6歳馬。我の強い性格と向き合うため、陣営は放牧へは出さず、長期にわたる在厩調整を選択してきた。初の関西遠征となった昨年の
大阪杯では、環境の変化に対応できず8着に敗れる苦杯もなめたが、地道な努力が実を結び、今季は海外遠征で好走するまで精神面が成長した。
岩田康が改めて勝因を挙げる。「今までは力みであったり、いろんな面で体力を削っていたが、カタールや香港での経験が生きた。きょうは初めて完璧に近いレースができた」。思い描いていた、人馬一体を表現。「楽しみ。去年の
ノースブリッジと違うところを秋に見せられたら」。今後の期待は膨らむばかりだ。
確かな成長の跡を示してG2を制覇。
奥村武師は「いつかG1を獲らせないと。それがわれわれの責任」とさらなる高みを目指し、口元を引き締める。今後については「これで
香港カップ(12月8日・シャティン)に出られるレーティングをもらえると思う。その前に一回使うかどうか」と実りの秋を見据える。その名の通り、北都でつかんだタイトルは、G1獲りへの架け橋となるはずだ。
提供:デイリースポーツ