◆第60回
札幌記念・G2(8月18日、札幌・芝2000メートル、良)
サマー2000シリーズ第4戦、第60回
札幌記念・G2は18日、札幌競馬場で行われ、5番人気の
ノースブリッジが快勝し、重賞3勝目を挙げた。16日付のコラム「熱血!競馬道」で付きっきりで歩んできた相棒への手応えをつづっていた
岩田康誠騎手(50)=栗東・フリー=は「最高です!」と歓喜した。
確かな自信があるからこそ手綱を押した。大外枠からスムーズに2番手を確保した岩田康と
ノースブリッジが動いたのは3角過ぎ。直線入り口では早くも先頭に立つ。迷いはない。大きく振り下ろした左ステッキから伝わる強い闘争心。追えば追うほど伸びそうな力強い末脚で後続を寄せつけない。G1馬3頭に昨年の覇者も完封。1馬身3/4差でゴール板を駆け抜けた直後、力強く何度も左拳を握りしめた。
昨年のアメリカJCC以来、3つめの重賞タイトル。「初めて完璧に近いレースができたと思います。3コーナー過ぎから4コーナーで素晴らしい瞬発力を出せました」と岩田康は喜びをかみしめた。本来は環境の変化に弱いタイプだが、今春はカタールと香港への遠征に挑戦。現地ではもちろん、カタール遠征前には出国検疫中の栗東で競馬開催日に深夜3時から調教に乗ったこともある。
すべてはパートナーを万全の態勢で送り出すためだった。現地では4、3着と好走。「カタールや香港での経験で馬が充実していました」。
奥村武厩舎とは
函館記念を勝った
ホウオウビスケッツと同じタッグでもある。「恐らく
函館記念の再現を考えているんだろうなと推測したけど、余計なことを言わずにジョッキーに任せました」と
奥村武調教師は笑う。騎手で同一年の
函館記念、
札幌記念連勝は13年の
武豊以来史上3人目(
札幌記念が芝開催になった90年以降)。「最高です!」と今年50歳のベテランは笑みを浮かべた。
今年の大目標は暮れの香港遠征(12月8日、シャティン競馬場)。今回のレーティング次第で
香港カップ(芝2000メートル)出走への道も大きく開ける。「去年の
ノースブリッジと違うところを見せたいと思います」と岩田康。常に寄り添い、信頼を深めてきた人馬が再び大舞台へ打って出る。(山本 武志)
◆
ノースブリッジ 父
モーリス、
母アメージングムーン(
父アドマイヤムーン)。美浦・
奥村武厩舎の牡6歳。北海道新冠町・村田牧場の生産。通算成績は18戦7勝(海外2戦0勝含む)。主な勝ち鞍は22年
エプソムC・G3、23年アメリカJCC・G2。総獲得賞金は3億2425万8400円(海外7950万2400円含む)。馬主は井山登氏。
スポーツ報知