先週のホッカイドウ競馬は、お盆開催で大いに賑わった。数多く来場したファンの期待に応えるように、新装・
北海道スプリントカップは
チカッパと
武豊騎手のコンビが快勝した。予想以上に勝ち馬の能力が抜けていたが、2着以下の走破タイムは1分13秒台だから、地元馬も十分に圏内である。今年はその大将格が力を出せずに終わったが、3歳馬同士なら地方勢にもチャンスがあることは分かった。
さて、今週は、秋の2歳ダート
グレードに向けた重要な
ステップ重賞が2つ行われる。このフルールCは、
エーデルワイス賞と同じ舞台で争われる牝馬重賞だ。
参照すべきは、同じく牝馬重賞である
リリーカップ。ただ、圧倒的なスピードでこれを逃げ切った
リオンダリーナが今回は不在だ。これによって、戦況は混戦模様となったとも言えるが、筆者はそのリリーCで本命にして2着だった
ジャイヴトークに改めて期待した。1000mの速さ比べでは勝ち馬に及ばなかったが、中位から猛然と脚を伸ばしたレースぶりには、1200mに距離が伸びてパフォーマンスを上げる可能性が確かに見えた。3着以降は大きく離しており、また、当時はデビュー戦以来2ヶ月の休養明けだったことを考えれば、上積みも大きいはずだ。
1頭を信頼するとしても、相手の順序づけがかなり難しい。展開の読みづらさがその要因のひとつだ。1000mあるいは1100mを逃げて好走している馬が多いということを考えると、8月8日に行われた、同じ2歳1200m重賞サッポロクラシックカップほどの消耗戦ではないにしろ、それなりにタフな流れにはなるだろう。個人的にはそう読んで、渋太さが身の上の
トレヴェナを相対的に高く評価した。
もちろん、リリーCで3着以下に敗れた馬たちに、巻き返しの目がないわけではない。
ゼロアワーなどは好内容の
栄冠賞3着を見直す手もあろう。重賞初挑戦の組では、
スノーキャンドルの素質が光る。高配当を逃さないよう、3連系の馬券は広く押さえた方が良さそうだ。
(文:競馬ブック・板垣祐介)