今週末には新潟競馬場で新潟2歳ステークス(2歳・GIII・芝1600m)が行われる。印象的なレースも数多いが、中でも
ハープスターの走りを記憶しているファンは多いことだろう。
新馬戦を快勝して同レースに駒を進め、単勝オッズ2.6倍の1番人気でスタート。発馬は五分だったが、スッと最後方まで下げて運び、直線に入っても依然として18番手。残り400mを切っても変わらずシンガリに居たが、エンジンがかかるとほか17頭をごぼう抜き。レース上がり33.8秒に対して、3ハロン32.5秒の非凡な末脚を見せて、終わってみれば3馬身差の快勝だった。
衝撃のパフォーマンスは今でも語り草になっているが、
ハープスターと同じく4角18番手(ダートは4角16番手)から
JRA重賞を勝った馬はほかに居るのだろうか。データが確認できる86年以降では、下記の5例のみだった。
■芝で4角18番手からの重賞V
シンメイフジ 09年
新潟2歳Sハープスター 13年
新潟2歳Sハープスター 14年
桜花賞■ダートで4角16番手からの重賞V
ウイングアロー 00年
フェブラリーSワイドバッハ 14年
武蔵野S フルゲート&4角シンガリからの差し切り勝ちになると、数は極めて少ない。1頭が出走を取り消しており、もとよりフルゲートではないが、稀代の追い込みレースとして知られる
ブロードアピールの00年
根岸Sも、4角14番手/15頭。昨年の
皐月賞の
ソールオリエンスは、惜しくも18頭立ての4角17番手だった。
今年の
新潟2歳Sには11頭が出走予定。
ハープスターや
シンメイフジの再現……とまではいかなくとも、追い込みの個性派は生まれるだろうか。