長らくお盆開催の目玉レースとして行われてきた
ブリーダーズゴールドカップだが、20数年来守り続けてきたその席を、今年から
北海道スプリントカップに譲ることになった。日高門別に秋の到来を告げる風物詩的な一面もあったのだが、その意味では、残暑が渋太く居座るようになった最近の気候に奇しくもマッチした形である。ただ、施行時期はひと開催後ろにずれたが、牝馬同士の2000m戦という条件は変わらない。
JRA勢上位の力関係も、大きく揺らぐことはないだろう。
何より今年は、大器
オーサムリザルトの走りに注目が集まる。6戦6勝という文字通り底を見せていない戦績もさることながら、
JRA勢で重賞勝利があるのはこの馬だけというメンバー構成からも、やはり中心に見るのが妥当だろう。課題があるとすれば、初経験となる
オーストラリア産の白砂との相性と、57kgという斤量か。疑いをかけるならそのあたりだが、レース運びにはあまり注文がつかないようで、鞍上は門別コースの勝ち方をよく知る
武豊騎手。たとえお盆開催でなくとも、レジェンドが勝てば場内はお祭りムードである。
JRA勢で次点は
サーマルソアリングだろう。ダートでのキャリアを考えれば、この馬もまだまだ伸びしろがある。前走はダート転向後初の重賞挑戦で、かつ、ト
リッキーな園田コース。広い門別でパフォーマンスを上げる可能性はある。大駆けがあるとすれば
デリカダだろうか。怪我による戦線離脱がなければ、おそらく複数のタイトルを獲得していたはずだ。まだ復活の糸口を探っている近況だが、流れに乗りやすい交流競走で変わる可能性はある。
力の差は確かにあれど、地元馬も何とか一矢報いたいところだ。南関東時代の実績も含めて、
メイドイットマムや
スギノプリンセス、
サンオークレアあたりが主力だろう。3歳ながら既にそれらと五分に渡り合っている
ポルラノーチェも、52kgの斤量利を生かして食い込みを狙う。
オーサムリザルトの参戦もあってか、その他の
JRA勢は例年よりやや手薄だ。地元勢、あるいは中央オープンから移籍した大井の
ドライゼが割って入る隙は無いわけではない。
(文:競馬ブック・板垣祐介)