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【札幌2歳S】キングスコールに名馬の相あり!デビュー戦で圧巻の強さ見せたドゥラメンテ産駒

スポニチ
  • 2024年08月27日(火) 05時30分
 ◇Road to 2025

 噂の2歳馬に名馬の相あり。「第59回札幌2歳S」(31日、札幌)で注目を集めるのがドゥラメンテ産駒のキングスコール。札幌新馬戦ではノーステッキのまま2歳コースレコード勝ちした素質馬だ。毎週火曜の2歳馬特集「Road to 2025」でその素顔を紹介する。

 一時代を築いた名馬には風変わりな逸話が多い。他馬が近づくだけで血相を変えて逃げ出したのがカブラヤオー。反対にシンコウウインディは他馬に近づいてかみつく闘馬だった。ゴールドシップは見知らぬ来訪者に襲いかかったし、レイデオロはターフビジョンに映った自らの姿に耳を絞って威嚇した。

 「変わった馬…というか、不思議な馬ですよ」。札幌で調教中のキングスコールに騎乗した藤岡が驚きの声を上げたのは先週の木曜朝だった。馬場の脇から他馬が突然、目の前に飛び出してくる。スタンドから「危ない!」の悲鳴。びっくりしたキングスコールは立ち上がって鞍上・藤岡を振り落としたが、驚くべきはその後だ。すぐに落ち着きを取り戻すと、ぴたりと静止してその場に泰然とたたずむのだった。「自分を持っているみたいです。能力はかなり高い馬ですが、気性も(他の馬とは)違いますよ」と藤岡は続けた。

 デビュー戦で示したのも名馬の相。パドックで藤岡を振り落としながらレースでは3角先頭で押し切った。直線では物見したり、内にモタれたりと若さを見せたが、ノーステッキのまま3馬身差の圧勝。勝ちタイム1分47秒8は20年札幌2歳Sソダシがマークした1分48秒2を0秒4上回る2歳コースレコード。「馬場が相当良かったので時計は過信できませんが、走りに余裕がありました。物見やモタれる面も新馬なので許容範囲。追い切りでゆったり走るので初戦からはどうかと思っていましたが、いいスタートが切れました」(藤岡)。新馬勝ち後は短期放牧を経て札幌再入厩。ソエ(若馬特有の管骨の炎症)が悪化しないよう気をつけながら調教を重ねてきた。

 ドゥラメンテ産駒で、米G1ウッドメモリアルSを制したベラミーロードのおいに当たる血統。22年セレクトセール(当歳セリ)では4950万円(税込み)の値がついた。ケタ違いの能力、確かな血統に加えて名馬にふさわしい逸話まで備えた札幌2歳王者候補だ。

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