夏の北海道シリーズを締めくくるG3「第59回
札幌2歳S」が31日、札幌競馬場で行われ、3番人気の
マジックサンズが直線で抜け出して重賞初制覇。騎乗した
佐々木大輔(20)は
函館2歳S(
サトノカルナバル)に続く
JRA重賞2勝目。管理する
須貝尚介師(58)は同レース歴代最多タイの4勝目を挙げた。
冷静なヤングジョッキーも顔を紅潮させるほどの激闘だった。「よっしゃ!」。
マジックサンズを1着馬の脱鞍所に導き入れた佐々木が声を張り上げる。離れた内でいったんは先頭に立った
アルマヴェローチェを鼻差で差し返した。「抜け出してからフワッとしたので何とか耐えてくれと…。ゴールまで勝負の行方は分かりませんでした」。調教でも感じた通り、新馬時とは一変した加速力。「トップスピードに入るまでのタイムラグがなくなりました」と振り返ったが、瞬時に
トップギアが入ったことで直線入り口で先頭に立った。
「理想的なレースだったけど、抜け出すのが早くてソラも使ったのでヒヤッとしたよ」と語るのは須貝師。伊藤雄二元調教師と並ぶ同レース最多4勝目。
ソダシ(20年)、
レッドリヴェール(13年)はここを
ステップにG1ウイナーへ、11年2着の
ゴールドシップは翌年、皐月&菊の2冠を制した。「
マジックサンズはまだ成長段階。そういう馬たちとは比較できないけど、オーナーとも相談して来春を目指したい」と続けた。佐々木は「僕はクラシックに乗ったことがないけど、さらに上に行っても頑張れる馬だと思っています」。デビュー3年目の若き主戦ジョッキーの声が弾んだ。
マジックサンズ 父
キズナ 母コナブリュワーズ(母の父キングカメカメハ)22年3月25日生まれ 牡2歳 栗東・須貝厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産地・北海道安平町のノーザン
ファーム 戦績2戦2勝(重賞初制覇) 総獲得賞金3864万1000円 馬名の由来は潮の満ち引きで砂浜が消えて見える、
カイルアコナの神秘のビーチ。
スポニチ