「
新潟記念・G3」(1日、新潟)
8番人気の
シンリョクカが道中2番手から直線抜け出し、重賞初勝利を飾った。11年目の
木幡初也騎手(29)=美浦・竹内、15年に開業した
竹内正洋調教師(45)=美浦=はともにJRA重賞初勝利。2着には3番人気の
セレシオン、3着には1番人気のキングスパレスが入った。注目の一頭だった
ライトバックは馬場入場後に放馬し、競走除外となった。これでサマー2000シリーズが終了したが、優勝条件に満たした馬がいないため3年連続の優勝馬なしとなった。
春の無念は自らの走りで晴らした。前走の福島牝馬Sは落馬の悪夢に見舞われた
シンリョクカが復帰初戦で結果を出した。馬も、木幡初も、竹内師もそろって、これが重賞初勝利。5走続けて手綱を取った鞍上は「春はご迷惑をおかけして。ふがいない結果だった。少しは恩返しになったかな」とホッとした表情を浮かべた。
好スタートを決め、ハナを切る勢いで先行。外から来た
アリスヴェリテに前を譲ると、2番手にすんなり収まった。直線では内回りとの合流点を過ぎて先頭へ。残り400メートル、長い直線を押し切った。
「いいリズムで進めました。馬場のいい所を選んで走れた分、ロスもなかった。最後は馬の力を信じて、頑張ってくれという思いでした。
シンリョクカと一緒に勝てて良かったです」。木幡初は苦楽を共にした相棒との勝利を喜んだ。
前走の落馬で馬はキ甲を骨折。幸い症状は軽く、放牧先では早い時期から乗り込みを再開できた。4カ月半の休養で気性も成長。普段から気持ちを表に出すしぐさが目立っていたが、見違えるように落ち着きが出た。
師も「気性の成長が大きいですね」と大人になった管理馬の力走に目を細める。「前走から一発目で結果を出してくれた。初重賞勝ちが
シンリョクカで良かったです」と感無量。休み明けでも結果を出せたことで、次走については「
エリザベス女王杯(11月10日・京都)に直行になりそう」と明かした。屈辱の春を経て、手にした初タイトル。身につけた大人の走りで、秋は一段階上のステージで頂点を目指す。
提供:デイリースポーツ