今年も日本中が厳しい暑さに見舞われた。今月2日には気象庁が1898年の統計開始以来、最も暑い夏になったと発表。会見の中では「異常気象」という言葉も使われたと報じられた。競馬界でもこの夏は、
JRAが第2回新潟開催で日中に約3時間半のレース休止や、パドック周回のさらなる短縮を実施。新たな暑熱対策が講じられる中、今夏の競馬場はどのぐらいの暑さだったのだろうか。7月、8月に開催があった競馬場の最寄りアメダスで、平均最高気温、期間内最高気温を調べてみた。
競馬場とアメダス設置地点は、同じ市内であっても最大数キロ離れているため、必ずしも同じ気象条件とはいえない。しかし、比較的に涼しい函館であっても両月とも夏日の基準となる25℃を超え、本州の競馬場所在都市では多くのところで30℃を上回った。さらに中京競馬場近くの大府では8月の平均最高気温が35℃と猛暑が続いた。
ここで興味深かったのはこの夏、暑熱対策が行われた新潟の最高気温の平均で7月は20℃台。8月でも31.1℃と北海道に次いで涼しい結果に。8月だけでも、最も暑かった中京とは約4℃の差がついた。各地とも暑い夏には変わりなかったが、今年は日本海側や北海道はまだ過ごしやすい気温だったようだ。
気象庁の資料によると、近5年は夏期(6月〜8月)の平均気温が平年より高い状態が続いているという。22年は北日本、東日本、西日本ともに平年より0.9℃。23年は北日本で3.0℃、東日本で1.7℃、西日本で0.9℃。今年は北日本で2.3℃、東日本で1.7℃、西日本で1.4℃もそれぞれ高かった。14年を最後に冷夏になったことも無く、来年以降はさらなる暑熱対策が求められるかもしれない。
9月に入ったが、日中は30℃を超える日も珍しくなく、まだまだ油断できない。全馬、全騎手が無事に競馬開催を終えられるように願うばかりだ。
【各地の気温】
平均=期間内における最高気温の平均
最高=期間内における最高気温
■札幌(アメダス:札幌)
7月20日〜9月1日まで開催
7月 平均:28.0℃ 最高:34.7℃
8月 平均:28.4℃ 最高:34.1℃
■函館(アメダス:函館)
〜7月14日まで開催
7月 平均:26.7℃ 最高30.2℃
8月 平均:28.3℃ 最高32.2℃
■新潟(アメダス:松浜)
7月27日〜9月1日まで開催
7月 平均:29.6℃ 最高:34.3℃
8月 平均:31.1℃ 最高:35.9℃
■福島(アメダス:福島)
〜7月21日まで開催
7月 平均:31.9℃ 最高:36.6℃
8月 平均:33.2℃ 最高:36.0℃
■中京(アメダス:大府)
8月10日〜9月1日まで開催
7月 平均:34.2℃ 最高:37.8℃
8月 平均:35.0℃ 最高:38.9℃
■小倉(アメダス:八幡)
〜7月21日まで開催
7月 平均:32.9℃ 最高:36.3℃
8月 平均:34.1℃ 最高:37.6℃
(注)小倉は北九州空港内(空港北町)にアメダスが設置されているものの、海上の埋立地で大きく気象条件が異なるため、八幡の数値を掲載している。いずれも気象庁ホームページより