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楽勝で秋華賞の大本命に ファインモーションの重賞初制覇

  • 2024年09月11日(水) 07時30分
 名門・伊藤雄二厩舎はエアグルーヴマックスビューティなど、幾多の名牝を育てたが、その中で史上最強牝馬の呼び声も上がる1頭がファインモーションである。デインヒル産駒の愛国産馬。半兄には97年のジャパンCなどG1を6勝したピルサドスキーがいる良血馬である。そんな大器が重賞初制覇を果たした02年のローズSを回想する。

 ファインモーションのデビュー戦は2歳12月の阪神の新馬(芝2000m)、鞍上は武豊騎手だった。単勝は1.1倍の1番人気。レースはスタートから先頭に立ち、上がり3Fはメンバー中最速となる34秒0をマーク。2着に4馬身差の大楽勝だった。その勝ちっぷりから、レース後にフランス遠征が検討されたが、馬体の成長を促すために放牧へ。結果的に2戦目は8か月後の500万下(函館芝2000m)となった。ここは松永幹夫騎手とのコンビで挑み、番手から抜け出して5馬身差でV。さらに中2週で挑んだ阿寒湖特別も5馬身差で圧勝。一気に秋華賞の有力候補に浮上した。

 この年の春のクラシックは、桜花賞を13番人気のアローキャリーオークスを4番人気のスマイルトゥモローが制したが、勝ち馬以外にもブルーリッジリバーチャペルコンサートなど人気薄の激走が目立っていた。それだけに秋華賞に向けてどの馬が人気を集めるのかということにも注目が集まっていた。

 そういった状況のなかでファインモーションの重賞初挑戦となったのが、秋華賞トライアルのローズSだった。アローキャリーら一線級との対戦は初めてだったが、単勝は1.2倍の1番人気。そしてその支持が間違いでなかったことを、走りで証明する。道中は先団で運び、4角で前に接近。直線で抜け出すと、手応えに余裕を残したまま、2着のサクラヴィクトリアに3馬身半差の完勝を収めたのだ。

 その後、ファインモーションは単勝1.1倍の人気を背負った秋華賞、同1.2倍のエリザベス女王杯と連勝し、最優秀3歳牝馬に選ばれた。結果的にこのレースは序章に過ぎなかったが、良血牝馬が全国区になったレースとして、多くのファンの脳裏に焼き付いているに違いない。

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