サマーマイルシリーズの優勝を占う最終戦であると同時に、秋競馬の開幕を告げるハンデキャップレース。舞台となる中山競馬場芝1600mコースは、1コーナー奥の引き込み線からスタートして、外回りコースを1周。スタートして3角までは緩やかな下りが続き、ゴール前で急坂が待ち構える難コース。一瞬の脚というよりも、長く良い脚を使える馬が有利にレースを運びそうだ。

　◎ディスペランツァはアーリントンC優勝馬。2歳時は比較的長めの距離を使われていたが、3歳になってからはマイルへとシフトし、半兄ファントムシーフに続く重賞勝利を記録した。NHKマイルCは最後の直線で前をカットされる不利があり、前走の関屋記念は新潟マイルの1番枠で思うような競馬ができなかった。トリッキーな中山マイルコースは初めてだが、これまで阪神コースで全3勝をあげており、ゴール前の急坂は味方にできそうだ。

　〇ディオは東風S優勝馬。ダービー卿CTは不可解な敗戦を喫したが、米子Sは58kgを背負って2着、関屋記念も2着。いずれのレースもトゥードジボンの逃げ切りを許してしまったが、オープン級に入っても変わらぬ安定ぶりは評価できる。あとひと押しが利かないものの、レース内容は良化しており、強い相手と戦うことで力をつけているのも事実。ここは飛躍のきっかけとしたい。

　▲エエヤンはニュージーランドT優勝馬で、春のダービー卿CT2着馬。この2レースを含めて中山マイルコースは[3-1-0-0]と得意にしている。前走は半マイル通過45秒6、前半1000m57秒1のハイペースに巻き込まれたが、ハナにこだわらない先行力と持続力が武器。開幕週の馬場は味方になってくれそうだ。57.5kgのハンデはやむを得ないところ。

　△アスコリピチェーノは昨年の最優秀2歳牝馬。中山競馬場は初めてだが桜花賞2着、NHKマイルC2着だから世代を代表する1頭だ。

　21年の覇者△カテドラルは中山マイルは[1-1-0-1]と得意なコース。同じく、この舞台で勝利経験がある△キャットファイト、△キタウイングも押さえておきたい。