「
セントウルS・G2」(8日、中京)
荒れた馬場をものともせず、2番人気の
トウシンマカオが豪快な末脚を繰り出し、差し切りVを決めた。これで3月のオーシャンS以来となる重賞4勝目。秋の大一番、
スプリンターズS(29日、中山)の優先出走権も獲得した。2着には4番人気の
ママコチャ、3着には7番人気の
モズメイメイが入った。1番人気の
ピューロマジックは13着だった。
ゴール前の白熱した戦いは、残暑の桶狭間をさらに熱くさせた。五分にゲートを出た
トウシンマカオは中団後方に待機。コーナーで徐々に進出し、直線で外に持ち出されると一気に
ギアチェンジ。鞍上の左ムチに応えてグングン脚を伸ばし、先に抜け出した
ママコチャをきっちり差し切った。
4つ目の重賞タイトルとなったが、これまでの重賞Vは全て右回り。2走前の
高松宮記念時から左回りでは右チークを着用し、今回も同様に万全を期して臨んでいた。菅原明は「左回りでの重賞実績がなかったので半信半疑でしたけど、(左回りの)調教でも走っていたので力を出せればなと思っていました」と相棒を信じてエスコート。高柳瑞師は「きょうもやや張り気味なところはありましたが、しまいも脚を使えていましたね」と振り返り、「精神的に少しどっしりしてきた」と成長を喜んだ。
鞍上にとっても特別な勝利だった。昨年11月に初コンビを組んだ
京阪杯で勝利。今年もと思った矢先の2月に急性虫垂炎を発症し、戦線を離脱した。その後2戦は他の騎手に手綱を譲り、再コンビ結成となった前走の京王杯SCでは6着に敗北。今回の騎乗で意地を見せ、「こうしてまた依頼していただけて、馬主さん、関係者の方々に感謝の気持ちしかありません」と表情を引き締めた。
秋の大一番、
スプリンターズSへ弾みをつける大きな1勝。「前哨戦でやや余裕のある仕上がりでしたし、まだまだ上積みはあります。本番も頑張りたい」と力強く言い切った菅原明。4度跳ね返された悲願のG1タイトル制覇へ-。ここから一直線に突き進む。
提供:デイリースポーツ