中山巧者と聞いて、多くのファンが最初に名前を思い出すのが
マツリダゴッホではないか。
有馬記念を含め、重賞6勝は全て中山の芝2200m以上。そんな中山マイスターが3連覇した07年から09年の
オールカマーを振り返る。
マツリダゴッホは名種牡馬
サンデーサイレンスの最終世代の1頭だった。3歳時はクラシックに出走できなかったが、4歳時の
AJCCで重賞初制覇を果たし、その後は3連敗を喫したが、秋の
オールカマーで2つ目のタイトルを獲得。この勝利によって、多くのファンが中山巧者と認識することになる。続く
天皇賞(秋)では15着に大敗したが、年末の
有馬記念では翌年の覇者
ダイワスカーレットらを退けGI初制覇。単勝52.3倍、9番人気での戴冠だった。
5歳を迎え、始動戦の
日経賞を制覇。その後はクイーンエリザベスII世Cが6着、
札幌記念が2着だったが、
オールカマーに堂々の主役として参戦。道中は番手追走。3角で各馬が動いたので一旦位置を下げたが、4角で前に再接近。直線で楽々と抜け出し、連覇を達成した。
その後は4連敗を喫し、迎えたのが6歳時の
オールカマーだった。さすがに衰えが危惧されたのか、過去2年の1番人気に対し、この年は
ドリームジャーニー、
シンゲンに続く3番人気に甘んじた。しかし、レースでは主役を譲らなかった。
横山典弘騎手を背に、自身初の逃げの手を打つと、スローペースに持ち込む。そのまま手応え良く直線に向くと、後続を寄せ付けることなく2馬身差の完勝。同一平地重賞3連覇は当時史上5頭目(現在は7頭が達成)の快挙だった。
これが最後の勝利となり、翌10年から北海道のレックススタッドで種牡馬となった。昨年いっぱいで種牡馬を引退し、
JRAの現役馬は僅か13頭しかいないが、彼ら彼女らの奮闘を期待しよう。