伝統の長距離重賞「第61回
東京記念」が12日、
大井競馬場で行われた。2番人気のナッジが直線で抜け出し、2つ目の重賞タイトルを手にした。同馬から5着までに「第34回
埼玉新聞栄冠賞」(S3、10月23日、浦和)への優先出走権が与えられた。
「これまでつかみどころのない馬だったが、しまいしっかり伸びてくれた」。矢野が振り返ったように、その気性面の成長がタイトルを引き寄せた。
前走の
トライアルと同様に、好スタートを決めると積極的に前にポジションを取った。勝ち時計の2分37秒6が示すように道中は超スローペース。最後方にポツンと離れて追走した
ドスハーツを除けば
ランリョウオーの逃げを各馬が団子状態で追走。内めの3番手でジッと脚をためると4コーナーでも動かない。
直線を向いたところで
ラッキードリームと
ウラノメトリアの間に突っ込むと一気に
ゴーサインを出した。残り150メートルで抜け出すと右ステッキの連打で一気に突き放し、2着
ウラノメトリアに3馬身差をつける完勝だった。
通算5勝目、南関東では14年
黒潮盃(
スマイルピース)以来の重賞制覇となった佐野師。次走に関して「長い距離が中心になると思う」としたが、5歳秋を迎えて本格化したこの馬の視界が一気に広がった。
▽ナッジ 父
フェノーメノ 母エーシンジョイフル(母の
父オペラハウス) 牡5歳 大井・
佐野謙二厩舎 馬主・和田博美氏 生産者・北海道新ひだか町の信田牧場 戦績27戦7勝(南関東17戦3勝) 総獲得賞金9069万5000円。
スポニチ