【競馬人生劇場・平松さとし】
14日にアイルランドのレパーズタウン競馬場でアイリッシュチャンピオンSが行われる。日本から
シンエンペラーが挑戦。19年
ディアドラ以来、日本馬として史上2頭目の出走で優勝を目指す。
私は何回か現地で観戦している。中でも印象に残っているのが15年。19年
マジカルから昨年
オーギュストロダンまで現在5年連続でこの大一番を勝っている地元の伯楽エイダン・オブライエン調教師は15年も
ファウンド、
ハイランドリールと有力馬2頭を送り込んでいた。前者は翌16年の
凱旋門賞などを優勝。後者はその
凱旋門賞で2着からブ
リーダーズCターフを勝つなど、世界中で数々のG1を制した名馬だった。
しかし、このレースを勝利したのは
ゴールデンホーン。管理するのはイギリスのJ・ゴスデン調教師で騎乗したのがデットーリ騎手。すぐ後に
エネイブルで
凱旋門賞連覇(17、18年)など、世界中の競馬界を席巻したタッグだった。当時、デットーリ騎手は言っていた。
「ダービーを勝った時も強いと感じたけど、今日の勝利で確信した。このまま順調に行けば
凱旋門賞を勝っても何もおかしくないだろうって…」
この言葉はすぐに実証される。10月の第1日曜日、場所をフランスに替えても
ゴールデンホーンは強かった。
凱旋門賞連覇中の
トレヴらを相手に見事、優勝してみせたのだ。
ゴールデンホーンに限らず、近年では
愛チャンピオンSから
凱旋門賞へ挑み、好走するケースが増えている。20年の
凱旋門賞を制した
ソットサスも直前にこのチャンピオンSを走っていた(4着)。
シンエンペラーは
ソットサスの全弟だ。そして何よりも世界中を舞台に幾度もアッと言わせ続けてくれる矢作調教師の管理馬だ。
エコノミクスやオブライエン勢など強敵ぞろいではあるが、次走の
凱旋門賞も含めて期待しつつ、応援したい。 (フリーライター)
スポニチ