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地元のレジェンド小牧太は生き生きしていた

スポニチ
  • 2024年09月20日(金) 05時05分
 【競馬人生劇場・平松さとし】19日、園田競馬場ゴールデンジョッキーCが行われた。通算2000勝以上の騎手の中から、さらに選ばれし12人が出場。各騎手3競走に騎乗し、着順に応じたポイントで覇を競った。JRAからは武豊騎手戸崎圭太騎手に加え園田出身の岩田康誠騎手も参戦。喝采を浴びていたが、誰よりも大きな声援を受けていたのが小牧太騎手だ。

 1967年9月7日生まれで先日57歳になったばかり。85年に園田でデビューすると、その後、不動の首位騎手になった。「ジョッキーシリーズなどで、中央で乗る機会も増え、それにつれて憧れの豊君とも競馬をして、もっとこういう環境で乗りたいと考えるようになりました」

 「豊君」とはもちろん、武豊騎手のこと。そこで2004年、36歳でJRAへ転籍をした。移籍5年目の08年にはレジネッタ桜花賞を制覇。自身初のJRA・G1勝利をマークすると、翌09年にはローズキングダム朝日杯FSを優勝。G12勝目を挙げた。

 ただ、最近は騎乗数が減り、勝ち鞍も激減。そんな今年の3月、園田での交流競走で騎乗依頼が舞い込んだ。「そこで騎乗馬をたくさん用意してもらえるように呼びかけた」。すると6頭集まった。そして、メインのネクストスター西日本賞を優勝してみせた。

 乗せてさえもらえればまだまだやれるという思いが確信に変わった。そこで一念発起。改めてトレーニングを強化し、体力をつけ直してから地方競馬の騎手試験を再受験。合格したことで“JRAから地方へ”という初めてのパターンで園田への復帰を決めた。

 こうして8月から再び園田所属となった小牧騎手が、13年ぶりに先述のゴールデンジョッキーズCに参戦。「優勝すると“やらせ”と思われちゃうから2位を目指す」と笑わせたが第1戦を見事に優勝。総合でも3位になってみせた。JRAの晩年時よりも数を乗り、細身になった地元のレジェンドの生き生きとした表情を見ると、園田に戻って本当に良かったんだな、と感じることができた。 (フリーライター)

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