今年の
シリウスステークス(3歳上・GIII・ダ1900m)は2年ぶりに中京競馬場での開催となる。そこで過去の中京開催の
シリウスSの勝ち馬を振り返るとともに、今年の有力馬も紹介したい。
まずは06年覇者の
メイショウバトラー。「戦士」という意味の勇ましい馬名だが、3歳時には
秋華賞にも出走した牝馬だ。4歳時の
小倉大賞典で重賞初制覇を果たしたが、名声が高まったのは6歳時にダートに転向してから。
プロキオンS、
サマーチャンピオン、そして
シリウスSと重賞3連勝。続くJ
BCマイルでも
ブルーコンコルドの2着に食い込むなど、牡馬の強豪とも五分の競馬を演じた。ラストランとなった10歳12月の
兵庫ゴールドトロフィー(5着)まで61戦を走り、重賞10勝を含む14勝。6億円以上を獲得した名牝だった。
20年は米国産馬の
カフェファラオが制した。大本命だった前走の
ジャパンダートダービーで初黒星となる7着に敗れ、汚名返上をかけて挑んだのが
シリウスSだった。初の古馬相手ながら単勝1.7倍の1番人気に推された一戦。中団追走から勝負所で外を回して押し上げると、直線で力強く抜け出す。終わってみれば2着の
サクラアリュールに3/4馬身差をつける完勝。このレースで改めてGI級のポテンシャルを証明し、翌年の
フェブラリーS制覇、その後のV2などへとつなげていった。
前回、中京開催だった22年の覇者は
ジュンライトボルトだ。曾祖母が名牝
エアグルーヴという血統馬。デビューから芝を走っていたが、オープンで壁に当たる。そこで陣営は5歳にしてダート転向を決断。すると砂初戦の
ジュライSを2着にまとめ、続く
BSN賞でオープン初勝利。そして
シリウスSに挑戦した。
ハヤブサナンデクン、ハピ、
バーデンヴァイラーに続く4番人気だったが、レースはワンサイド。4角で外を回しながら圧巻の差し切りで、重賞初制覇を果たした。続くチャンピオンズCでは
石川裕紀人騎手とともにGI初制覇。今年からは種牡馬として第二の馬生を歩んでいる。
さて、今年の
シリウスSも楽しみなメンバーとなった。重賞ウイナーの
ハギノアレグリアスや連勝中の
ロコポルティなど、役者が揃っている。どの馬が秋の大舞台に弾みをつけるのか。そして勝ち馬の今後も見逃せない一戦となりそうだ。