父に初タイトルを届けるか。
エイシンヒカリ産駒の
エイシンスポッター(牡5、栗東・
吉村圭司厩舎)が、
スプリンターズステークス(3歳上・GI・芝1200m)でGI初制覇を狙う。
エイシンスポッターは父
エイシンヒカリ、
母マーゼリン、母の
父Baratheaの血統。母は09年の米G1・サンタマリアHで2着だった。
ここまで22戦6勝。昨春の鞍馬Sでオープン初制覇。その後は差し届かずのレースが続いていたが、3走前の安土城Sで約1年ぶりの勝利を手にした。続く
北九州記念はスムーズさを欠く場面もあって9着に終わったが、前走の
キーンランドCで2着に健闘。これまでに比べると前寄りの中団で脚をため、直線では鋭く伸びてきた。賞金加算できたことはもちろん、レースの幅が広がったという意味でも、収穫の大きい一戦だった。
スプリンターズSは昨年に続いて2年連続の参戦。当時は0秒7差の11着だったが、上がり3Fはメンバー中2位の33秒8だった。展開が味方すれば上位争いはもちろん、突き抜けるシーンまであっても不思議ない。
父の
エイシンヒカリにとって、産駒の
JRA重賞制覇は悲願だ。これまで延べ32頭が出走し、21年の
ローズSの
エイシンヒテン、23年の
デイリー杯2歳Sの
エンヤラヴフェイス、そして今年の
キーンランドCの
エイシンスポッターで3回ある2着が最高着順。3着と4着も2回ずつあるが、あと一歩で戴冠に手が届いていない。
中距離の逃げ馬だった父とは正反対で、短距離の差しで鳴らす孝行息子が吉報を届けるか。GIIIとGIIを飛び越え、GIでの頂点奪取となることを期待したい。