中山の「第70回
オールカマー」は1番人気
レーベンスティールが重賞連勝を決め、
天皇賞・秋の優先出走権を手にした。鞍上の
クリストフ・ルメール(45)は中山で3週連続
JRA重賞V。管理する
田中博康師(38)は昨年の
ローシャムパークに続く連覇を飾った。
白い流星がインの狭いスペースをさっそうと駆け抜けた。展開不向きの激闘で重賞2連勝を決めた
レーベンスティール。その額には祖
父トウカイテイオーから受け継いだ流星が輝いていた。ルメールは「手応えがずっと良かった。また
パワーアップしていたね。次はG1レベルで応援してください」と笑顔がはじけた。
10番人気で2着に逃げ粘った
アウスヴァールが演出したスローペース。「休み明けで2200メートルだったので少し引っかかった」とはルメール。それでも何とか我慢しながら直線を向く。凝縮した馬群の中では外への進路が見つからない。しかし、背中にいるのは
オールカマー2戦無敗の名手。瞬時にインを選択すると、1頭分のスペースをこじ開けた。ルメールは「(馬場状態の良い)内の馬がよく走っているので、あのルートを選んだ。最後は凄くいい脚を使ってくれました」と納得の表情だった。
母の父は復活の93年
有馬記念、大人気アニメのウマ娘と、新旧ファンから絶大な人気を集める
トウカイテイオー。この日もウイナーズサークル前にはG2とは思えない人だかりができた。田中博師は「血を引き継いでいる部分はあると思う。(
テイオーの)現役時代は知りませんが、似ている部分があるのかな」と目を細める。陣営は「完成はまだ先」と強調するが、少しずつ偉大な祖父に近づいてきた。
次走について明言はなかったが、指揮官は「東京1800、2000メートルが最もパフォーマンスを出せる舞台だとは思う」と説明。国内路線となれば、祖父が“秋古馬3冠”で唯一手にできなかった
天皇賞・秋(10月27日、東京)が選択肢となるか。G1初制覇が視界に入った4歳秋。血脈に眠る“
テイオーのDNA”は、大舞台でこそ真価を発揮する。
◆
レーベンスティール 父
リアルスティール 母トウカイライフ(母の
父トウカイテイオー)20年3月8日生まれ 牡4歳 美浦・田中博厩舎所属 馬主・キャロット
ファーム 生産者・北海道日高町の広富牧場 戦績10戦5勝(うち中央9戦5勝、重賞3勝目) 総獲得賞金1億9574万6000円 馬名の由来は生きざま(独)。
スポニチ