これまでに多くの外国馬が参戦している
スプリンターズステークス(3歳上・GI・芝1200m)だが、カク外にまつわるジンクスがあることをご存じだろうか。実は外国馬の参戦が2頭だった95年、05年、10年に限ると、いずれも1頭は馬券圏内に入っているのだ。今年は
ビクターザウィナーと
ムゲンの2頭が参戦予定とあって、期待は高まる。というわけで、ここでは95年、05年、10年の3回を振り返る。
まずは95年だ。この年は
ソーファクチュアルと
ワイルドゾーンが参戦した。とりわけ注目を集めたのはUAEの
ソーファクチュアルだった。英G1のナンソープSを制しての参戦。O.ペリエ騎手が騎乗することも影響したのか、
ヒシアケボノ、
ビコーペガサスに次ぐ3番人気の支持を集めた。レースは先団でのスムーズな立ち回りから脚を使ったが、上位人気2頭に伸び負けて3着。敗れはしたが、欧州のトップス
プリンターの底力を感じさせる走りだった。
続く05年には外国馬初のス
プリンターズ制覇が成し遂げられた。勝ったのは「香港最強ス
プリンター」の
サイレントウィットネスだ。春の
安田記念(3着)に続く2戦連続での日本遠征で、単勝2.0倍の1番人気に推された。レースは好位で手応え良く運び、直線に向いて先頭へ。2年前の覇者の
デュランダルが追い込んできたものの、最後まで危なげなし。これを1馬身1/4抑え、悠々と先頭でゴールを駆け抜けた。ちなみにもう1頭の
ケープオブグッドホープは11着。豪英でGI勝ちの力を発揮できずに終わっている。
最後は10年だ。この年は香港から
グリーンバーディーと
ウルトラファンタジーの2頭が参戦。直前の
セントウルSで2着だった
グリーンバーディーが1番人気を集めたが、まさかの10着に敗退。一方、実績で見劣って10番人気の低評価だった
ウルトラファンタジーが鮮やかな逃げ切りを収めた。鞍上のH.ライ騎手と共にGI初制覇。8歳での平地GI勝利は
カンパニーと並ぶ最高齢タイ。また、馬主、調教師、騎手がいずれも香港人の馬が香港以外のビッグレースを勝利したのは史上初の快挙だった。
今年の
スプリンターズSではどんなドラマが待っているのか。そしてジンクス通り、香港馬が馬券圏内に食い込むのか。2頭の走りから目が離せない。