デビュー14年目の好漢・
藤懸貴志騎手が、
京都大賞典(3歳上・GII・芝2400m)の
ケイアイサンデラ(牡4、栗東・
小林真也厩舎)で3年ぶりの重賞2勝目を狙う。
藤懸騎手は11年デビューの31歳。怪我もあって年間10勝前後の成績が続いていたが、昨年は自己最多となる20勝をマーク。親しみやすい性格や、熱心に調教をつける姿勢が評価されて、着実に関係者の信頼を集めている。今年はここまで11勝と昨年ほどのペースではないが、単勝万馬券を2回も出すなど、毎週のように伏兵で上位争いを演じている。単勝回収率も169%と素晴らしく、穴党の強い味方だ。付け加えればレースで勝った後のウイナーズサークルでのファンサービスもSNS等で話題となっている。
京都大賞典のパートナーは
ケイアイサンデラだ。デビューから苦戦が続いたが、藤懸騎手が初騎乗した5戦目の未勝利(中京芝2200m)でガラリ一変の初勝利。その後は4走前の2勝クラスを除き、全てのレースでコンビを結成している。理想は逃げる形と思わせながら、前走の
ムーンライトHでは好位から渋太く脚を使い、外から迫る
シェイクユアハートを差し返して勝利。人馬の絆を深めながら、レースの幅を広げている。今回は昇級戦にして、前々走の
目黒記念(9着)に続く2回目の重賞チャレンジ。それだけに力関係がカギだが、今の充実ぶりなら見せ場以上があっても驚けない。
藤懸騎手にとっては21年の
マーメイドSの
シャムロックヒル以来、2回目の
JRA重賞制覇がかかる一戦となる。自身と同じく平田厩舎出身の
小林真也調教師の管理馬での重賞勝利となれば、喜びもひとしおだろう。いつにも増して気持ちのこもった手綱捌きで、是非とも波乱の主役になってほしい。