スマートフォン版へ

【京都大賞典】“プボくん”ことディープボンド 悲願達成へ秋の始動戦 谷口助手が“愛馬”にかける思いとは

デイリースポーツ
  • 2024年10月01日(火) 06時00分
 「京都大賞典・G2」(6日、京都)

 この馬で文章を書くのは何度目だろうか。7歳牡馬ディープボンド。G1の高い壁に跳ね返されながらも、幾度も懸命に挑み続ける姿に心を打たれるファンも多いが、記者もその一人。そんな“プボくん”は京都大賞典で秋の始動戦を迎える。

 9月上旬に栗東トレセンへ帰厩。ここまで順調に乗り込まれてきた。栗東CWで行われた26日の1週前追い切りは先導役の都合で6F86秒3。全体時計は平凡だったが、ラスト1Fは21年の有馬記念2着時の最終追いでマークした11秒2を上回る、自己最速の11秒0を刻んだ。谷口助手は「ためればこんな脚を使えるのか、と。活気があってダイナミックなフォームで追えて、(幸)ジョッキーも“いい動きでした”と言っていて、いいと思います」と、納得の表情を浮かべていた。

 同期にコントレイルデアリングタクトがいる7歳馬。ベテランの域に到達した今もなお、厩舎にはボンドを応援する手紙やお守りがたくさん届くという。「“受験生ですが、勇気をもらいました”や“仕事で悩んでいたけど元気をもらいました”“人生が変わりました”などのメッセージをいただきました。今後、こんな馬に巡り合うことはないんだろうなと思いながら、携わっています。こんな馬、いないでしょう」。常に最前線で戦い続ける“愛馬”に感謝の思いは尽きない。

 谷口助手にとって、忘れられない瞬間がある。昨年のジャパンC。本馬場入場時のこと。「ボンドの時、すごい歓声で。後ろからブワーッと来た感じ。すごく感動したことを鮮明に覚えています」。世界ナンバーワンホース・イクイノックスや3冠牝馬リバティアイランドといった希代のスーパーホースにも負けない声援を背に受けた。トレセン入りして約四半世紀。他に代えがたい経験だったという。

 ボンドの人気の一つに『G1未勝利馬で獲得賞金トップ』という点があるかもしれない。とはいえ、G1馬になってほしいという気持ちはファンも記者も、そして日々の調教にまたがる谷口助手も同じだ。「何とか(G1を)勝ちたいです」。それだけに、この始動戦は大事な一戦だ。

 「今、状態面は去年の天皇賞・春(2着)と比べてもいいと思います。暑さに弱いから心配だったんですが、大丈夫でした。年を取った馬は夏に弱いとどんどん悪くなっていってしまうので。それを考えたら、(1週前でラスト1F)11秒0が出ましたからいいと思います」。今年の酷暑も放牧先でうまく乗り越え、コンディションに不安はない。

 「ボンドの競馬ができれば100点かなと思います。僕も、一ファンとして応援する感じですね」と同助手。取材すればするほど、皆から愛されていることが伝わってくる。いつも一生懸命に走り切る“プボくん”の初悲願に向けて、まずは秋初戦に熱視線を送りたい。(デイリースポーツ・山本裕貴)

提供:デイリースポーツ

みんなのコメント

ニュースコメントを表示するには、『コメント非表示』のチェックを外してください。

ミュート・コメント非表示の使い方
  • 非表示をクリックし「このユーザーの投稿を常に表示しない」を選択することで特定のユーザーのコメントを非表示にすることができます。(ミュート機能)
  • ※ミュート機能により非表示となった投稿は完全に見えなくなります。このため表示件数が少なく表示される場合がございますのでご了承ください。なお、非表示にしたユーザーはマイページからご確認いただけます。
  • 『コメント非表示』にチェックを入れると、すべてのニュース記事においてコメント欄が非表示となります。
  • ※チェックを外すと再びコメント欄を見ることができます。
    ※ブラウザを切り替えた際に設定が引き継がれない場合がございます。

アクセスランキング

注目数ランキング

ニュースを探す

キーワードから探す