「第75回
毎日王冠」はダービー9着
シックスペンスが美浦Wコースで抜群の伸びを披露した。ひと夏を越し、精神面が良化。古馬初対決に挑む。
避暑地で戦いから離れた3カ月間。
シックスペンスにとっては大切な時間となったのかもしれない。水曜朝、最終追い切りを終えても変に気持ちが高ぶる様子はない。鈴木助手は「ダービーの頃はカッカしていたけど、放牧を経てだいぶ大人になって帰ってきましたね。気持ちの面が成長しています」と目を細めた。
Wコースでの最終リハ。1馬身前に置いた
ノットファウンド(4歳1勝クラス)を目標にして静かな立ち上がり。スムーズにスピードに乗せながら直線は内へ。一気にギアが上がる。馬なりのまま併入して、5F64秒3〜1F11秒6。同助手は「(時計は)想定より速くなったけど、そこは具合が良かったのかなと。乗り手も“最後も遊ぶ余裕があった”と言っていたのでちょうどいいんじゃないかな」と納得の表情だった。
スプリングS圧勝から向かったダービーはレース前からイレ込みもあって9着。「装鞍所でも気持ちが入りすぎていた。結果的に仕上がりすぎていたのかも。多頭数の競馬で他の馬に来られて燃えてしまったのもあった」。敗因は明確だ。苦い経験を糧に、心身の
バランスを整えてきた。
このレースは3歳馬が近5年で4勝と良績を持つ。「能力はあると思っています。(
スプリングSと同じ)1800メートルに戻るのは間違いなくいいし、自分の競馬ができればチャンスはあるんじゃないですかね」と自信がのぞく。春の悔しさを胸に向き合った夏。
シックスペンスが大人の階段を上り始めた。
スポニチ