◆第103回
凱旋門賞・G1追い切り=10月2日、仏
シャンティイ・ラモルレイ調教場
第103回
凱旋門賞・G1(6日、パリロンシャン競馬場=
JRA海外馬券発売対象レース)で、日本調教馬として初勝利を目指す
シンエンペラーが2日、滞在しているフランス・
シャンティイのラモルレイ調教場で最終追い切りを行った。この日はダート周回コースで軽めの調整。陣営が上昇を確信しており、納得の仕上げで世界最高峰の舞台に送り出す。なお、この日、出走馬が発表され、18頭となった。
自分のリズムを守るだけで十分だった。
シンエンペラーはラモルレイ調教場のダート周回コースで
ラファミリア(3歳1勝クラス)を追走。気持ちを最優先するように手綱を全く動かさず、前を抜こうともしない。「息を整える程度で、オーバーワークにならないように」と手綱を執った岡助手。最後まで僚馬を追いかける形のままだったが、栗毛の馬体が刻むフットワークに力強さがみなぎっていた。
「どちらかと言えば、普段から真面目なタイプではない。今日くらいのペースだと本気で走っていたわけではないですが、以前に比べて動き自体はスムーズになっており、良かったと思います」と岡助手はうなずいた。矢作調教師が「7、8割だった」と振り返る
愛チャンピオンS(3着)から中2週。決して間隔は長くなかったが、“静”に徹した最終追い切りが順調な調整を物語っている。
攻めの姿勢も忘れてはいない。1週前追い切りでは前走時と同様にCデムーロに手綱を託し、芝コースで併走馬たちに大きく先着。十分に負荷をかけた。この動きを見守った担当の吉田助手は「先週追い切ったエーグル調教場の芝コースはかなり重かったのですが、問題ありませんでした。馬場状態に関して不安はありません。他の陣営が嫌がるようなら、むしろありがたいと思っています」と分析する。
レース当日の天気予報は下り坂。これまで日本調教馬たちの大きな壁となっていた雨が、追い風となる可能性もある。上昇曲線を描き、青写真通りに整いつつある臨戦態勢。大仕事への予感は日増しに高まっている。
スポーツ報知