日々トレセンや競馬場で取材を続ける記者がテーマを考え、自由に書く東西リレーコラム「書く書くしかじか」。今週は大阪本社の田井秀一(31)が担当。今、最も熱い種牡馬
マジェスティックウォリアー(牡19)を訪ね、けい養先の
イーストスタッド(北海道浦河町)へ向かった。
3歳3冠が新設されるなどしたダート
グレード改革元年、
マジェスティックウォリアーの存在感が際立っている。09年に米国で種牡馬入りし、16年から
イーストスタッドで供用が開始。大種牡馬
エーピーインディの直子で導入当初から馬産地では人気を博してきた。
今年上半期、
ライトウォーリア(
川崎記念)、
ラムジェット(
東京ダービー)が立て続けにJpn1を制し、ニーズがさらに沸騰。同スタッドを運営する
ジャパンレース
ホースエージェンシーの秋武佳孝さんは「秋に翌年の種付け料を発表するので、例年は秋にならないと種付けの話はされないのですが、今年初めてシーズン中に(翌年の種付けの予約の)話が来ました。
マジェスティックウォリアー以外にも今までこんなことはなかったのでびっくりしています」と類を見ない熱気の高まりを伝える。
「筋肉量が豊富で力強い馬体」をしているが、「少しゆったりしている」のが特徴的。気性は温厚で「一般的に種馬は我が強くて扱いにくいイメージかもしれませんが、この馬は手がかからないです。放牧地でものんびりしてることが多い」とのこと。種付けも「自身の欲求より牝馬の感情を探るタイプ」の“優男”だ。
産駒はスタミナが問われる中距離の消耗戦に強く、
JRAでの勝利は7割近くが外枠(5〜8枠)と馬券的にも狙いやすい!?ありがたい種牡馬。主戦の三浦が「乗っていていつも鳥肌が立つ」と絶賛する傑物
ラムジェットを出し、NARリーディングサイヤーランキング(収得賞金)でも堂々の2位につけている。まさに脂が乗っている現状に、秋武氏は「もともと種馬としてのポテンシャルを期待していた馬ですし、(ブレークに)驚きはないです」と納得の表情を浮かべていた。
2日に行われたダート3冠最終戦
ジャパンダートクラシックの全出走馬の父馬が異なるように、ダート種牡馬界はまさしく群雄割拠の戦国時代。まだ“推し”が決まっていない方には、馬産地でますます支持を拡大している
マジェスティックウォリアーを勧奨します。
◇田井 秀一(たい・しゅういち)1993年(平5)1月2日生まれ、大阪府出身の31歳。阪大卒。道営で調教厩務員を務めた経験を持つ。netkeiba「好調馬体チョイス」連載中。
スポニチ