秋の東京開幕を告げる伝統のG2「第75回
毎日王冠」が6日、東京競馬場で行われ、1番人気の
シックスペンスが直線4番手から差し切りV。
グレード制が導入された84年以降、初めてG1馬不在となった混戦を断ち、重賞2勝目を挙げた。
府中の借りは府中で返す。3歳馬
シックスペンスがターフを吹き抜ける秋風に乗り、春のダービー9着からの巻き返しV。脱鞍所に戻ってきたルメールは馬上で両手を上げて
ガッツポーズ。「能力を出してくれてジワジワ伸びた。スタートは凄く上手なのでいいポジションが取れたし、距離は短くなったが彼にとってちょうどいいペース。冷静に走れてゴールまで頑張ってくれた」と相棒を称えた。
スタートを決めるとスッと外4番手を確保。前半5F通過59秒4の淡々としたペースを折り合って追走した。前を射程に入れたまま、残り400メートルでエンジン点火。内の
ホウオウビスケッツ、
エルトンバローズがしぶとく抵抗し、残り100メートルでまだ3番手。ルメールが懸命のムチで鼓舞するともうひと伸び。首差前に出たところがゴールだった。「もう少し早く反応すると思ったが、休み明けでコンディションはまだトップではないので。僕もよく頑張ったし、彼も頑張った」。この日6勝の“固め打ち”と絶好調だった鞍上は顔を紅潮させて喜んだ。
これで5戦4勝。ベストの距離に戻って本領発揮に、国枝師は「ダービーがあの結果だったから、やはり千八くらいが乗りやすかった」と納得の表情を浮かべた。ひと夏を越えて、馬体重は前走から14キロ増。しっかり力を蓄えて迎えた秋始動戦を制し「体はちょうど良かったかな。中身はまだちょっとできてなかったけど、これを使われて良くなっていくのでは」とうなずいた。
今後について指揮官は「オーナーサイドと検討。(距離は)延ばすか短くするか。今まで大事に使ってきたからね」と明言は避けた。それでも重賞常連の古馬を撃破し、
ビッグタイトル獲得の期待は高まる。ルメールも「秋から上のレベルにいくと思う」と自信満々。上昇一途の
シックスペンスが秋のG1戦線の主役候補に名乗りを上げた。
シックスペンス 父
キズナ 母フィンレイズラッキーチャーム(母の父トワーリングキャンディ)21年4月17日生まれ 牡3歳 美浦・国枝厩舎所属 馬主・キャロット
ファーム 生産者・北海道安平町のノーザン
ファーム 戦績5戦4勝(重賞2勝目) 総獲得賞金1億4086万7000円 馬名の由来は英国旧硬貨の名。幸運をもたらすお守り(母名より連想)。
スポニチ