ほろ苦い敗戦となった。フランス伝統の一戦「第103回
凱旋門賞」は6日、パリロンシャン競馬場で16頭で争われ、日本調教馬
シンエンペラー(牡3=矢作)は中団待機から直線、伸びを欠いて12着。20年覇者
ソットサスとの兄弟制覇はならなかった。11度目の
凱旋門賞騎乗で初勝利を期した
武豊(55)騎乗の
アルリファー(牡4=愛J・オブライエン)は11着に敗れた。
欧州最高峰の壁は高かった。
シンエンペラーは五分のスタートから道中、中団を追走。時折、頭を上げる場面はあったがスムーズに流れに乗った。手応え良く、十分に脚を残して533メートルの長い直線へ。ただ、そこからエンジンがかからない。本来の伸びを見せることなく、12着に流れ込むのが精いっぱいだった。坂井は「馬場を苦にしている感じはなく、道中の雰囲気も良かったが、一気にペースが速くなった時に付いて行けなくなってしまいました」と敗戦を振り返った。
遠征初戦の
愛チャンピオンS3着を
ステップに本番へ。ひと叩きして上昇カーブを描きながら、この日を迎えた。思い描いたシナリオの通り。ただ、結果がついてこなかった。矢作師は「状態は良かったし、展開も悪くなかった。馬場も想定の範囲内。現状では敗因をつかみ切れていない」と悔しさをにじませる。
20年の
凱旋門賞馬
ソットサスの全弟。22年8月のアルカナ社セールで210万ユーロ(当時約2億9000万円)の値が付いた逸材だ。まだ3歳、当然この先がある。矢作師は「今後、しっかり(敗因を)分析して結果を残せるようにやっていきたい」と前を向いた。
来月には同じく藤田晋氏が所有する
フォーエバーヤングで米
BCクラシック(11月2日、
デルマー)に臨む。国境を越え、チーム一丸のチャレンジは続く。
スポニチ