今週末14日(月)の東京競馬8Rには、“芝2500m”の3歳上2勝クラスが組まれている。
目黒記念や
アルゼンチン共和国杯でおなじみの距離だが、平場戦で使われるのは極めて珍しく、昨年の設定が14年ぶり。それまでも先の2重賞以外では、年に1回程度しか組まれていなかった。豊富な距離設定がある
JRAの競馬場では、東京芝2500m以外にも、年に数えるほどしか使われない距離も少なくない。平地競走に絞って、各競馬場の“レア条件”を調べてみた。
北海道シリーズでは、芝1000m戦が挙げられる。札幌競馬場、函館競馬場ともに設定はあるが、函館では6月開幕週に新馬戦で1鞍組まれているのみ。札幌は04年まで年に数レース行われていたが、09年に1競走のみに減らすと、次は21年まで実施されず、近3年は使われていない。ダート1000m戦は数多く見られる一方で、芝1000mは年々珍しい条件になっているのだ。
ダートの長距離戦も珍しい。ローカルの競馬場では施行回数がさらに少なくなり、小倉ダ2400mは年に2競走。福島ダ2400mも毎年11月に2鞍程度組まれているのみで、今年も11月2日(土)の6R、11月9月(土)の9Rに予定されている。新潟ダ2500mは近2年で、年間に1競走だけのレア条件。今週末14日(月)の4Rに設定されている。
珍しい設定は中山競馬場にも。ダ2400mは年に複数行われているが、ダ2500mとなるとわずか1競走のみ。08年は2鞍だったが、翌年以降は年1鞍に減らしている。勝ち馬にはダート重賞5勝の
シビルウォーや、主に南関東の長距離戦で活躍した
トーセンルーチェや
ユーロビートなど。また、平場戦では無いが、芝3600mはステイヤーズS専用として定着。ただし、コース図によれば、それよりも長い芝4000mの設定もある。
東京競馬場には先の芝2500mのほかに、芝2300mという見慣れない距離もある。毎年4月に実施される特別戦の
新緑賞で使われるほか、近年は5月に未勝利戦が1鞍だけ設定。芝3400mは重賞の
ダイヤモンドS専用となっている。
京都競馬場では、
天皇賞(春)の芝3200mや、
菊花賞や
万葉S、
古都Sの芝3000mが施行回数の少ない距離として挙げられる。とはいえ、名物レースばかりなので、レア条件という印象は薄いだろう。芝3000m、芝3200mについて、前者は阪神競馬場と中京競馬場の両方、後者は阪神にも設定があり、京都競馬場の改修工事などで使われた。
小倉芝1700mや東京ダ2400mの施行が近年無くなっていたり、現在使われいない設定があったり、コース図を眺めてみると、数多くの発見があった。