速い時計は必要ない。
クイーンズウォークの最終追いは心身の
バランスを整えることがテーマだった。松岡助手を背に坂路へ。最初の1Fを15秒7とゆったりしたラップで入り徐々に加速。最後まで目立ったアクションはなく、リズム重視で駆け上がった。4F57秒0の全体時計は控えめでも、その背中から伝わってくる雰囲気が前走時や先週時点とは違う。松岡助手は「
テンションがどうかということだったので、時計よりも心と体の
バランスを意識しました。凄くいい雰囲気でした」と好感触だった。
1週前追いは川田を背にCWコースで6F83秒3〜1F11秒2。鞍上は「正直良くなかったです。時計は出ていますが、中身があまりにも良くなくて」と率直に振り返り「無駄に気持ちが入り過ぎてしまうというか、苦しがるところがあったのでそういう面を改善しないとね、という話をしました」と陣営と意見を交わしながら調整を進めてきた。
休み明けの
トライアル・
ローズSを快勝。高ぶる気持ちを、うまくなだめつつ仕上げてきた。この1週間で修正したことで、松岡助手は「馬自身が応えてくれて課題をクリアできました。点と点が線でつながった気がします。
ローズS時の追い切りと比べても、もう一段階、良くなっています」と手応えをにじませた。
春の牝馬クラシックは
桜花賞8着、
オークス4着。デビュー前から素質にほれ込み、6戦全てでコンビを組んだ川田は「二千ぐらいが一番いいと思っていましたし、だからこその(同距離だった)
ローズSのあの走りだと思います」。京都内回りの舞台について「ト
リッキーです。紛れの多いコースだと思います」と言うからこそ、持ち味を熟知する強みが生きるはず。ベスト距離で春のリベンジを完遂させる。
<川田連覇なら史上4人目偉業>川田&中内田厩舎のタッグは昨年の
リバティアイランドに続く
秋華賞連覇に挑む。同レースが創設された96年以降、調教師による連覇は一度もない。川田が連覇なら岩田康(11年
アヴェンチュラ→12年
ジェンティルドンナ)、浜中(14年
ショウナンパンドラ→15年
ミッキークイーン)、ルメール(17年
ディアドラ→18年
アーモンドアイ)に続く史上4人目の偉業となる。
スポニチ