ＪＲＡは１０日、藤田菜七子騎手（２７）＝美浦・根本＝が２３年４月ごろまで複数回にわたり、調整ルームの居室内に通信機器（スマートフォン）を持ち込み、通信していたことが判明したと発表。一部週刊誌の報道を受けて９日午後５時ごろに事情聴取したところ、本人がその事実を認めた。その証言によると通話ではなく、通信アプリの使用で、同年５月以降は開催日の調整ルーム居室内に通信機器は持ち込んでいないという。

　このことは騎手として重大な非行があったものと認められるとして、日本中央競馬会競馬施行規程第１４８条第２項により本事案について裁定委員会に送付するとともに、同条第４項により１１日から裁定委員会の議定があるまで、同騎手の騎乗を停止するとした。

　昨年からＪＲＡではスマホの不適切使用が次々と発覚している。昨年５月には今村聖奈ら６人の若手騎手が３０日間の騎乗停止処分。藤田菜七子は、当時ＪＲＡが全騎手に行った聞き取り調査では外部と通信していないと申告していたという。

　今年５月には水沼元輝が不適切使用に加え、預ける際の偽装工作が判明して来年２月２８日まで、９カ月間の騎乗停止処分となった。そして、今月７日には永野猛蔵と小林勝太が騎乗停止に。この相次ぐ事態にＪＲＡ側は９日、「再発防止策は取っているが、さらに踏み込んで再発防止に努めたい」と、改善に向けて取り組んでいく考えを示していた。

提供：デイリースポーツ