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【記者の目】通信相手は厩舎関係者、騎手だけの処分でいいのか 藤田菜七子電撃引退

スポニチ
  • 2024年10月12日(土) 05時25分
 【記者の目】騎手は不正防止の観点から、原則として競馬開催日前日の午後9時までにJRAが指定した施設(調整ルーム)への入室が義務づけられている。居室内ではスマホなどを使用した外部との通信は禁止。今回、藤田はそのルールを破り外部と通信した。引退の決断は本人の意思なので別として、ルールを破ったのだから騎乗停止の処分は当然。その点において擁護はできない。

 外部と通信しない条件付きで、以前は調整ルームへのスマホの持ち込みは許可されていた。昨春、若手騎手6人の不適切使用の発覚により現在は持ち込み自体が禁止されている。菜七子の違反は新ルール適用前だったが、適用後も若手騎手の同様の事例が相次いだ。コロナ下では集団感染予防のためホテルを調整ルームの代わりとして認める制度を導入。JRAの監視の目が一時的に届かなくなったことも、スマホ禁止への意識を希薄にさせた一因かもしれない。

 藤田の件もそうだが通信の相手が厩舎関係者というケースが目立つ。騎手が調整ルームへ入室する時間帯に、外部と通信を禁じているルールは百も承知のはず。この場合は相手にもペナルティーが科されるべきだ。一方的な騎手だけの処分は公平性を欠いている。

 競馬は多額のお金が動くギャンブル。常に厳しい目が向けられているのも事実。不正をしないのは当然。疑惑すら持たれてはいけない世界であることを、競馬学校の教育段階から丁寧に周知させていくしかない。(レース部次長・浜田 公人)

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